10年ぶりに音楽活動を再開させた黒沼英之の復帰後第三作「涙」は、「HOPE」「Selfish」に続く、シンガーソングライター・松室政哉サウンドプロデュース三部作を締め括るシンプルなピアノバラード。 この歌で綴られる彼自身にとっての日常は、退屈さであり刹那であり、時に誰かにとっての希望だ。内省的な歌詞とは裏腹にどこか光を導くかのように鳴るメロディは、「涙」を抱えながらそれでも明日がやってくるという現在を生きるわたしたちにとって、優しさとなるのかもしれない。 そして、それは日々を生きる中でこぼれ落ちていった様々な感情を呼び起こすサインだ。
黒沼英之
黒沼英之