前作は例の騒動を受けた気持ちの整理に近い内容だったが、今作は違う。ここは混沌とも平穏とも取れるREINOの音楽世界だ。パーソナルで、叙情的かつ衝動的。タイトルの通り"痛み"がテーマで、彼の悲しみや怒り、トラウマが包み隠さず歌われている。また、彼らしいユニークな表現や、皮肉めいたリリックももちろん健在。サウンドやラップの質も格段に上がり、アレンジもふんだんに加えられ、まさに成長し進化したREINOの最高傑作とも言える。
REINO / Unwavering Records
REINO / Unwavering Records
2004年生まれ、ラッパー/ミュージシャン。愛知県出身。 政治的なメッセージやパーソナルなテーマを楽曲に取り入れ、ダイレクトかつクールにラップしてみせるアーティスト。 オープンリーのバイセクシャルで、その葛藤や痛みなどを歌ったアルバム『The Point Nemo』は、シンガーの壱タカシが寄稿したCDジャーナルのコラムで絶賛され、ヒップホップ情報サイト2Dcolvicsの「2022 BEST ALBUMs In 日本語ラップ (Selected by かなえ)」に選出されるなど高い評価を受けた。ビートメイクからミキシング、アートワークまでを自らで手掛ける。