「REINOは正直で、真っ直ぐで、臆病だ」と誰かは言う。そんな彼の新作は、2022年のベストアルバムと言っても過言ではないかもしれない。 フィンランドに長期留学する親友、そしてタイトルのポイント・ネモの存在を軸に物語は進行していく。ビートはミニマルかつ壮大で、オールドなサンプルを多く取り入れているが、フレッシュかつクール。飽きさせないラップと聴く者の心を打つ詩的で鬱屈な表現や、挑発的なリリック、クィアアーティストらしい切り口など、巧みなライティング・スキルが光る。ゲストにはオーディション企画〈100byKSR〉選出の功績を持つ東京のラップクルー、Each Eyes Countryなどが参加。
REINO / Unwavering Records
REINO / Unwavering Records
2004年生まれ、ラッパー/ミュージシャン。愛知県出身。 政治的なメッセージやパーソナルなテーマを楽曲に取り入れ、ダイレクトかつクールにラップしてみせるアーティスト。 オープンリーのバイセクシャルで、その葛藤や痛みなどを歌ったアルバム『The Point Nemo』は、シンガーの壱タカシが寄稿したCDジャーナルのコラムで絶賛され、ヒップホップ情報サイト2Dcolvicsの「2022 BEST ALBUMs In 日本語ラップ (Selected by かなえ)」に選出されるなど高い評価を受けた。ビートメイクからミキシング、アートワークまでを自らで手掛ける。