星の街は聴こえる。
積んじゃう?
姉:やっとここまできたわ。私の夢のお城
トランプを2枚ずつ三角状にたてかけていってピラミッドのように積み上げていく。残すところは一番最上部のみ。
妹:おー完成じゃん。てかよっぽどひまだな
姉:さいごのてっぺんを、、、
HOSHINA:どうもー!!!
姉 妹:あーーーーっt
無惨にも床に散らばるカード
最後にのせようとしたトランプを両手にもったまま時が止まっている姉
妹:なんとなくパターンがわかってきたような気がする!!
HOSHINA:すすすすみません!またなにかお邪魔しちゃったようで
妹:トランプのカードを積み上げてたんだよ もうすぐ完成だったんだけど
HOSHINA:ほう 何か魔法の儀式でしょうか 完成すると何か召喚されるとか
妹:いやただのひまつぶしでしょ ね、ところでHOSHINAさんがきたということは
HOSHINA:そうです今回は『SEQUENTIAL DAYS』という曲をお持ちしました。
妹:しーけんしゃる??
HOSHINA:楽器などやられてる方は聞き馴染みあるかもですが、シーケンサーと言って音を記録していって自動演奏をしてくれる装置があるんですね。一音一音の積み重ねが音楽というものを奏でる。一日一日の積み重ねがひいては人生となる、というようなこととかけているんです。
妹:おー考えたな さっそく聴いてみよう
視聴中
妹:なんかこうクラスでは地味目な子なんだけど、話してみたらすごいいろんなこと考えてるんだなーみたいな子っぽい曲だね!?わかりづらい?
姉:私が説明するわ。曲冒頭から流れ続けるシンセのリフ、これが曲の最後まで終始流れておりこれがシーケンシャルな機械的な繰り返しつまり日々の繰り返しを表現している。それは代わり映えのしない無機質なパターンの繰り返しであるのだが、よく聞けばそこへ他の楽器が重なってきたりと小さな変化が少しずつ加わっていく。大きな変化ではない分それは見落とされがちで一見面白みはないかもしれない。しかしそれは確かな変化であり曲は間違いなく終盤へ向け新しい何かへと変容していく。考えてみれば我々の日常といったこともそれと酷似しているのではないか。朝起きて鏡をみる。昨日の自分と何も変わらない。あしたもあさっても?だがよくかんがえてみてほしい。本当に何も変わっていないのか?と。なにかを達成しなかったか?なにか些細なことでもいい、君はなにかをやり遂げなかっただろうか?勉強でも仕事でも家事でもいい。君は今日を確かに生きた。それが君の新しい未来をつくっていくのだ。自信をもってほしい、誇ってほしい。全ての出会いも別れも喜びも悲しみさえも君という人間をつくりだしてきた、変わっていく、それは確かな変化なんだと気づいてほしい。この曲はそういったようなことを表現している。
HOSHINA:はい!?お?
妹:おねえ!なにかとりついたか? 大丈夫!?
姉:大丈夫に決まってるわ、このトランプもね。くずれたらまた積み重ねていけばいいじゃない 少しずつでもちょっとずつでもね。その変化に気づいたら、それがあなたにしか描けない人生といえるのよ。誇りなさい。
HOSHINA:お姉さま!!
妹:おねえかっこいい!!
HOSHINA:じゃあまた今度はみんなで協力して積みますか
妹:積んじゃう?
姉:なんどでもね