告白的でありながらもフィクションでもある、私小説としての作品群。過去にはバンドサウンドを強調してきた反動とも言える、ストリングスとピアノのみの小さな編成は室内楽の様相を呈している。 死生観といったてつとの世の中への眼差しが垣間見える「おわり」から本アルバムは始まり、「サーチライト」や「粧し込め」など奮起せんとする生き方を感じさせる楽曲が繰り広げられ、「芽生エニ想フ」、「琥珀」といった内面への問いかけと苦悩を思わせる楽曲に続く。最後にはここ数年てつとが懇懇と唱え続ける「花ひらくまで」で終幕を迎える。
Music and Graphic
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