張り詰めた空気に伸びる一本の細い蜘蛛の糸。 雲間から差し込む一筋の薄い光に希望を抱いて、その天に向かう糸を辿り昇ってゆく。 近づいては遠退く心のざわめきと葛藤を振り払い、雲を抜け、やがて行き着いたのは静けさと安らぎが広がる天上の世界だった。ベーシスト兼ピアニストのミムラシンゴとアレイムビラ奏者兼打楽器奏者である北航平のプレイヤーとしての持ち味が存分に味わえるインプロビゼーション的要素を含んだ繊細な一曲。 タイトルは曲から想起される物語が芥川龍之介の作品『蜘蛛の糸』と重なったことから名付けられた。 スリリングな冒頭から、全身の力が離脱していくような柔らかな開放感のエンディングまで楽しんで欲しい。
neuf
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