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インタビュー今井大介さん
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  • 2016/11/25

レコード大賞金賞、9個のゴールドディスク、13個のプラチナディスクを獲得しているサウンドプロデューサー今井大介氏。

自身はもちろん、多くのアーティストと共に素晴らしい楽曲を世に送り出してきたヒットメーカー今井氏に、「BIG UP!」は可能性を見せることが出来たのだろうか。

 

 

 --早速ですが、「BIG UP!」を実際に体験いただいた率直な感想をお聞かせください。

 

今井)「BIG UP!」がこの後5年間くらいで音楽業界を変えてしまうんのではないか?という予感があります。そして、全て出来るっていうところが「エイベックスさんならではだなぁ」と思いました。

 

 アーティストが売れれば、全部一貫して様々なラインも作ってもらえる。そういうサービスを作ってしまったことを素晴らしく、とても面白いと思います。

 

 

 --今井さんは歌手としてキャリアを始められていますが、歌手であれば「BIG UP!」をどう活用すると思いますか?

 

今井)例えば、メジャー契約が切れてしまったけど、ある程度ファンがいて活動したいという状況だったとしますよね。(メジャーであれば、持っているはずの)MV制作会社と配信、パッケージ、(音楽)出版社、そこまでのルートを持っているアーティストは、そういないと思うんです。

 

 

 --確かにアーティスト単体でそのようなルートを持つ方は少ないと想像できますね。

 

今井)アーティスト単体だけではなく、レーベル機能を持ちたくても持てず受託契約をしている我々のような事務所にも需要があるのではないでしょうか。「BIG UP!」に包括して契約して、マーチャンダイジングをやってもらったり、公式サイトも作ってもらったりすることも可能ですか。

 

 

 --はい。法人の方でも利用していただけるように考えております。

 

今井)そういう意味ですごく興味を持ちました! 色んな事務所が将来的に受託ではなくて、「BIG UP!」のようなサービスに集約していくのではないかな?と。

 

 --「BIG UP!」で、特に魅力的だと感じるサービスはどれでしょうか?

 

今井)「CDを作って売る」「楽曲を配信する」というのは別の業務になりますよね。「プロモーションビデオの制作」や「マーチャンダイジング」「グッズの製作」、それらは専門とする方達がいます。それは音楽会社だけではできません。例えば、ネットでうちわを作ろうとした時に値段の相場も分からない。

私は「BIG UP!」のどのサービスが良いとかではなく、音楽事業に関連する色々なサービスを一貫してやってもらえることが、かなり大きなメリットじゃないかなと思います。

 

 

 --とても嬉しいですね。

 

今井)例えばですよ。アーティストがスポンサーを付けて、そのスポンサーの資金を元手に音源を作ってCDを出して配信をする。そして、その高い還元率から生れた利益をスポンサーとシェアしてゆく。そんな今までとは全く違ったビジネスモデルが生まれて来る可能性も見えますよね。そういう意味でも私は注目しています。

 

 

 --どんなアーティストが「BIG UP!」を使ってくれると思われますか?

 

今井)シンガーソングライターやバンドがまず最初に食いつくんじゃないかと思っていますよ。その後にDTM(デスク・トップ・ミュージック)やっている子達が入ってくるような気がします。

DTMをやっていてネットにあげる子達は自分のレベルとかを顕著に分かっているので、自分のクオリティに不安を持っている人が多いそうなんです。面白いですよね。

最初にシンガーソングライターとバンドが使うと思ったのは、バンドの子達って勢いがあって、「俺が一番!」みたいに自分たちの演奏を聴かせることが優先ですから。大学生のバンドが「試しに!」という感じでやってみるんじゃないかと思います。

 

 

 --例えば、それが「プロ」と呼ばれるアーティストだった場合に「BIG UP!」はどのように使用されると思いますか?

 

今井)ある一定の水準以上のアーティストだとそれぞれ「BIG UP!」を使う発想はまったく違うんじゃないかな?と思っています。

私であればプロダクション単位として興味あるわけです。例えば、千枚や二千枚程の契約でやっているところも今のメジャーレコード会社ではありがちですけど。それなら、少しリスクあっても「BIG UP!」でやった方がいいんじゃないかなっていう。

逆に、メジャーレコード会社は1万枚を目指さないのだったら、「BIG UP!」が流行ってしまった場合には契約できないですよね。

そういう意味ではプロダクションがアーティストをデビューさせる機会が増えますよね。良いアーティストが出やすいはずです。「いろいろ今期は無理なんで〜」とか、大人の事情ってのがあるじゃないですか(笑)

そういうときに、じゃあ来期まで事務所で頑張って「BIG UP!」で出しとこうみたいな。

 

 

 --「BIG UP!」が契約形態も変えてしまうかもしれませんね。

 

今井)メジャーレコード会社と契約をしていても、「ちょっと今期は無理だから、1回「BIG UP!」で出しておく?」とか、メジャーレコード会社内からそういう提案があるかもしれないですよ。契約をしていてもCDを出せない子を、僕はいっぱい知っていて相談を受けたりもします。

「CDはやっぱり出せないかもしれないけど、「BIG UP!」使えばいいじゃん!」というアドバイスを今後するかもしれませんね。

 

 

 --さらに「BIG UP!」に期待したい役割などはありますか?

 

今井)期待したいのはSNSとの親和性ですね。Facebook、Twitter、Instagramと、どういうふうに盛り上がって「BIG UP!」に繋がるのか。SNSと「BIG UP!」が相乗効果を生むような役割ですかね。

 

 

 --先程、5年後に「BIG UP!」が音楽業界を変えるとおっしゃっていましたが、それは「インディーズ」と「メジャー」といった垣根を越えるということでしょうか?

 

今井)今の中高生を見ていると既に「インディーズ」とかいう概念が無いですし、「買う、買わない」の概念も無いと私は感じています。「インディーズで」とか「買う、買わない」と言っているのは我々大人だけのように思いますね。

さらに、その下の小学生はあと数年でサブスプリクションが当たり前になっていて、その子たちが中高生になると初めて「音楽を聞くためにお金に払う」教育ができるかなと思っています。先程、「5年後」と申し上げた理由はこのことなのです。

 

 --なるほど。そういった変化を想像しての5年という歳月だったのですね。その時、レコード会社はどうなっているとお考えでしょうか?

 

今井)メジャーどころのレコード会社は必ず残ると思います。10万枚以上売りたい!”三代目J Soul Brothers”になりたい!”EXILE”になりたい!そこを目指すならば、やっぱりメジャーの「流通力」とか「大きい宣伝力」が必要になりますからね。一方で、「BIG UP!」で大きくなった新たなレーベルとかも出てくるかもしれないですし。

さらに、その先の10年後になると「売れる」「売れない」という言葉が死語になっているように思います。「聞かれる」「聞かれない」という言葉が取って代わってしまうかと。サブスプリクションが浸透するのは時間の問題なので遅かれ早かれそうなっていくでしょう。

 

 

 --音楽業界ではサブスクリプションがメインになる。確かにそんな10年後は想像に容易いですね。

 

今井)この10年、恐ろしいスピードでテクノロジーが進んでいるじゃないですか。正直なところ10年前だと私、札幌に住めてないです。まだ(データ通信の)上りが遅すぎて、トラックダウンデータをアップロードして、「はい、これです」って言えなかったはずです(笑)

「BIG UP!」のようなサービスができることによって、アーティストは東京に来る必要がなくなって地方で活躍できますよね。私なんか北海道に住んでいるので分かるんですけど、余計なコストもかからないですし、アーティストにとってもどんどん良い世の中になっていきますよね。

正直、10億円稼げるアーティストはもう簡単には出ないと思います。でも、チャンスを今まで掴めなかったアーティストを底上げしてあげられる環境が出来て音楽のニーズも増えることで、自分の音楽の力を発揮できるアーティストがもっと増えてくると思います。

 

 

 --今井さんご自身が北海道にお住まいなので、北海道のアーティストと交流される機会は少なくないと思います。そんな北海道で活躍するアーティストたちが「BIG UP!」を使うことでもっと広がって、日本だけではなく海外でも聞かれるようになっていく。そういう未来への可能性が「BIG UP!」には見えますか?

 

今井)見えます!! 一番欲しているのは、地方のアーティストかもしれないですね。面白いことに、「プロ志向」であっても、「東京にどうしても来たい!」というアーティストばかりではないんです。

今までは東京に出て来ざるをえなかったはずです。そんな中例えば、繊細な子たちは大都会に揉まれて、ナーバスになってしまうこともあったと思います。でも今は、そういう子たちに「いや、出てくる必要ないから」って言えてしまうんですよね。

基本的に仕事で(東京に)行くことはあっても、地方に滞在しながらできるっていうチャンスが広がりますよね。「ようやく」という感じはしますけど。

アメリカなんてニューヨークだけではなく、ロサンゼルスがあってシカゴがあって、アトランタ、テキサスがあってカントリーがあって、いろんな場所で音楽が活躍するじゃないですか。日本もそうなってほしいなって切に思いますね。

そして、そのブレイクスルーになる大きな一歩に、この「BIG UP!」はなると思います。

 

 

今井大介/音楽プロデューサー、シンガー・ソングライター

1995年よりロサンゼルスに滞在、1999年Musician Instiuteに在学中プロデューサーJoeyCarboneに見出され2000年BMGより歌手デビュー。4枚のシングル、2枚のアルバムをリリース後、2002年より活動の軸をサウンド・プロデューサーに移行し倖田來未、BENI、SMAP、遊助、AI、CHEMISTRY、東方神起、鈴木雅之、BoA、May J.など50組を超えるアーティスト達に250曲以上の楽曲を提供。これまでにレコード大賞金賞、9個のゴールドディスク、13個のプラチナディスクを獲得。2011年5月、9年振りのアルバム『room106』をD.I名義でavexよりリリース、BENIをフィーチャーした『L.O.V.E.』は数々の配信チャートで1位を獲得。2014年自身が発掘したカナダのコーラスグループ、ルーカス・ティーグをアカペラJ-POPカバーという形でトータルプロデュース、2015年春アルバム4Voicesをavexよりリリース。


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