Amazon Music for Artistsで自分の楽曲を効率的にプロモーションする方法
コラム
Alexaとの連携やAmazonマーケットプレイスと連携してグッズ販売などを展開できたりなど特徴の多いAmazon Music。世界の利用者はすでに5500万人を超えています。
日本では「Amazonプライムに入会しているので、Amazon Musicも一緒に利用している」というユーザーも多いと聞きます。
このコラムでは、Amazon Music for Artistsをアーティストが活用する方法について解説していきます。
具体的には、Amazon Music for Artistsの申請方法、アーティスト写真の変更方法、ピッチング、アナリティクスの見方について、の4項目に触れていきます。
Title List
Amazon Music for Artistsとはなにか?
Amazon Music for Artistsとは、Amazon Musicで楽曲を配信しているアーティストならば誰もが使える、無料の分析ツールです。
自身の楽曲に関するインサイトやアナリティクスの閲覧はもちろん、Alexa経由でどの程度再生がされたかなども把握することができます。
アーティスト写真の変更、新曲のピッチングなど、重要な機能もたくさんありますのでぜひ登録しておくことをおすすめします。
Amazon Music for Artistsの申請方法+権限付与方法
まずは以下にアクセスしていただき、諸々の申請を進めます。
※申請にはAmazon アカウントが必要です。
https://artists.amazon.com/
申請方法の詳細はこちらのページもご覧ください。
大まかな流れは下記となります。
Amazonアカウントにログイン→自分のアーティストページを検索→アカウント情報について入力(アーティストのSNSアカウント認証も含む)→申請
Amazonアカウントがない場合は「Create your Amazon account」より新規作成をする必要があります。
おそらく多くの方はAmazonアカウントをお持ちかと思いますので、申請自体はスムーズに行えるかと思います。
上記のフローが終わりましたら、大体2~3営業日で申請が通るので以降はコチラよりログインしておけるようにしましょう。
申請が完了しましたら、他のメンバーに権限を付与してみましょう。
アーティストのアドレス以外にも、マネージャーやチームの方にアドレス単位で権限を付与することができます。
流れとしては、概要の右上のアイコン→「チームの管理」→招待したい方の名前やアドレスなどを入力。
権限については、管理者と閲覧者を選ぶことができるので、こちらを選択して「招待を送信する」を押せば完了です。
まずはアーティスト画像を設定しよう
Amazon Music for Artistsにログインできるようになったら、まずはアーティスト画像を設定しましょう。
「アーティストツール」→「プロフィールとツール」にて画像を設定することができます。
「プロフィール画像」の鉛筆マークを押すとアップロード画面に移りますので、そこからアーティスト写真をアップロードすれば完了です。
画像のガイドライン:
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ファイルはjpegまたはpngの形式で、500x 500ピクセル以上かつ5MB以下である必要があります。文字やロゴ、煩雑な画像の使用を避けることをお勧めします。
管理画面の詳細な見方
Amazon Music for Artistsの管理画面において、大まかには「レポート」と「アーティストツール」という項目に分かれています。
レポートではあらゆるセグメント別のアナリティクスなどを確認することが出来ます。
アーティストツールではアー写の変更はもちろん、ピッチングやグッズのAmazon販売ページとの連携なども可能です。
それぞれ、よく見るであろう重要箇所について項目ごとに解説していきます。
①アーティストツール
アーティストツールで出来ることは、以下の通りです。
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- プロフィールとツール・・・プロフィール画像や背景画像、Spotlightなどを管理
- アーティストの登録・・・新しいアーティストのAmazon Music for Artistsなどを申請できる
- ニューリリース・・・リリースを控えている楽曲を確認、ピッチングができる
- アーティストグッズ・・・アーティストグッズをAmazonマーケットプレイスにて販売している場合、ここからAmazon Musicと連携することができる
- Hype Deck・・・楽曲やアルバム、アーティストといった単位でソーシャルカードを作ることができる(=リンクまとめのようなもの)
今回は、おすすめ機能である「ピッチング機能」について触れていきます。
ニューリリース / ピッチング機能
まずピッチングとは何かと言いますと、自身の楽曲をAmazon Musicのエディトリアルチームやプレイリストキュレーターに推薦することを指します。
ピッチングをすることで、楽曲が公式プレイリストや特集ページに掲載される可能性が高まり、リスナーの数を大幅に増やすことができます。(※展開を確約するものではありません)
アーティストが自身の音楽を広く届けるための重要な手段であり、特にDIYアーティストにとっては知名度を上げるための効果的な方法と言えるでしょう。
ピッチングの対象曲となるのは、以下となります。
- 新曲(以前にリリースされたことがない曲)
- リリース(シングル、EP、またはアルバム)ごとに1曲
- ストリーミング権付きでAmazon Musicに提供される曲
- 発売日から14日以内の曲
リリース前にしっかりピッチングを行えば、リリース日に合わせてプレイリストに追加される可能性が高まります。
大まかな流れは下記となります。
ニューリリース→ピッチング可能な楽曲一覧が出てくるので、右の「楽曲をピッチ」を押す→楽曲に関連する情報(リリース日、ジャンル、ムードなど)を入力→ピッチング完了
ピッチングを成功させるためには、いくつかコツがあるのでご紹介いたします。
どのようなリスナーに届けたいのか明確にする
ピッチングの画面上では、曲のジャンルや雰囲気、リスナーは主にどの国にいるか。また、どのアーティストと近い楽曲か、などあらゆる情報を選択することができます。
自分が届けたいリスナー層を明確にしてから、編集しましょう。
具体的な情報を記載する
楽曲の制作背景や歌詞が持つ意味、またプロモーションプランなど多岐に渡る情報を入れ込むことが可能です。
エディトリアルチームや、キュレーターの方の注目を集めやすくなりますのでできる範囲で記載してみましょう。
早めにピッチングする
リリース日の少なくとも3週間前にピッチングを行うことをおすすめします。
これにより、エディトリアルチームやキュレーターの方にピッチングされた楽曲をじっくり聴いてもらうことが可能になります。
②レポート
レポートで確認できる項目と内容は、以下の通りです。
- 概要・・・「再生数」「リスナー数」「人気の楽曲」「ストリーミングのソース」を確認できる
- 楽曲・・・楽曲ごとの再生数やリスナー数、国別の傾向などを確認できる。
※TOPには再生数が多い順にソートされた「人気の楽曲」というランキングが表示される - ファン・・・どれくらいのファンがいるか(スーパーファン含む)、ファンが多い国はどこかを確認できる
- Alexa・・・Alexa経由でどれくらい楽曲が再生されたか、その再生数は他のアーティストと比べて多いのか少ないのかを確認できる
- 楽曲編成・・・プレイリストやステーションに入っている楽曲が表示される
この機能の中で、特にアーティストにとって大事なのものは「楽曲」「ファン」の項目でしょう。
楽曲
「楽曲」ページにおいては、楽曲単位で見た時の
-
- 再生数
- リスナー数
- その楽曲が掲載されているプレイリストやステーション
- 再生回数の多い国
- ストリーミングのソース
などを網羅的に把握することができます。
BIG UP!のレポートなどでも再生の細かな数値は把握できますのでここは割愛しますが、
「ストリーミングのソース」はとても参考になるかと思います。
「ストリーミングのソース」を見る際に覚えておきたい視聴傾向としては以下が挙げられます。
-
- ステーション経由や Amazonプレイリスト経由で再生が多い=新しく自分の音楽と出会ってくれた人が多い
- ユーザーライブラリとプレイリスト経由で再生が多い=既存リスナーが多く再生をしてくれている、既存リスナーとエンゲージメントがしっかり取れている
- ブラウズおよび検索結果からの再生が多い=自分を能動的に”検索”して見つけてくれた人が多い
そのため、どういったルートでリスナーとの関わり方ができているのかを視覚的に判断することができます。
「新規リスナーは多いけど、既存リスナーがあまり聞いてくれていないな。既存リスナーとエンゲージメントを高めるために何か施策を考えよう」
など、色々な施策の指針になるでしょう。
ファン
また、「ファン」ページにおいては「ファン」と「スーパーファン」の数を確認することができます。
ファン:
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ファンとは、積極的に特定のアーティストの楽曲を聴いているリスナー、リスナーのライブラリやオリジナルプレイリストに特定のアーティストの楽曲を追加しているリスナー、特定のアーティストをフォローしているリスナー、特定のアーティストのMP3を購入しているリスナーをいいます。 平均して、Amazon Musicにおける合計ストリーミングの半数超はファンが占めており、うち3分の1超のファンは、その後30日間にわたり特定のアーティストの音楽を聴き続けています。 ファン数は、Amazon Music for Artistsアプリの[ファン]タブにアクセスすることで確認できます。
スーパーファン:
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ファンとは、積極的に特定のアーティストの楽曲を聴いているリスナー、リスナーのライブラリやオリジナルプレイリストに特定のアーティストの楽曲を追加しているリスナー、特定のアーティストをフォローしているリスナー、特定のアーティストのMP3を購入しているリスナーをいいます。 平均して、Amazon Musicにおける合計ストリーミングの半数超はファンが占めており、うち3分の1超のファンは、その後30日間にわたり特定のアーティストの音楽を聴き続けています。 ファン数は、Amazon Music for Artistsアプリの[ファン]タブにアクセスすることで確認できます。
※https://artists.amazonmusic.com/jp/faqsより一部抜粋して引用
上記の通り、「ファン」や「スーパーファン」はリスナーの中でもよりそのアーティストに対して積極的にアクションを起こしてくれている層のことを指します。
「アクション」を具体的に表すと以下になります。
- 楽曲を繰り返し、定期的に聴いてくれる
- ライブに来場してくれる
- アーティストグッズを購入してくれる
- SNSやオフラインで、アーティストの楽曲を口コミして広めてくれる
一方で、プレイリスト入りなどの外部露出のおかげで一時的にリスナーが増えても、上記2種類のファンが育たなければアーティスト規模を大きくしていくことは難しいでしょう。
リスナー全体が増えていくことももちろん大事ですが、この2種類のファンを増やしていくことの方がよっぽど価値があることは言うまでもありません。
「ファン」ページは定期的に確認して、ファンがどれくらい増えてきているかをウォッチすると良いでしょう。
困った時は
自分の楽曲が他のアーティストのページに掲載されている、Amazon Music for Artistsに申請することができない…など。
何か困った時には、アーティストツールの「問題を報告」よりサポートにお問い合わせすることができます。
基本は以下の2つから問題を報告する形になります。
上記2点は、BIG UP!への問い合わせでも問題なく解決できます。
それ以外の問題を報告したい場合は、「その他にAmazonが知っておく必要がある情報はありますか? (オプション)」に詳細を記入して、送信しましょう。
<太田受里プロフィール>
Gerbera Music Agency株式会社 音楽広告事業部所属。
18歳から音楽業界に従事し、コンサート業界の裏方から演者側など主に現場仕事を経験、2020年にGerbera Music Agencyに加わる。
2023年より音楽広告事業部マネージャーに就任。
音楽広告事業部にて様々な音楽広告を実施、日々音楽業界への貢献と広告の進化について考えています。
GMAが運用するSpotifyプレイリストメディア「Pluto」にてプレイリスト「Feel the Japanese GROOVE」を更新中。