アイスカルフ

インタビュー

私自身の背中を押すために書いた曲が誰かの曲になった
その瞬間がたまらなく愛おし

大阪を中心に活動中のウルトラ・ポップ・ロック・バンド、アイスカルフ。一度聴くと耳から離れないキャッチーなメロディと春木による等身大の想いが込められた歌詞が聴く者を魅了する。そんな彼女たちの代表曲と言える「アイアムヒーロー」が、音楽配信プラットフォーム”BIG UP!”が主催する楽曲募集企画で、TBSテレビ”イベントGO!”の2月度オープニング・テーマに見事選出された。Skream!では、これを記念し彼女たちに初のインタビューを敢行。4月にリリースされる新作についても含め、いろいろと答えてもらった。

-Skream!初登場となりますので、まずどのような経緯でバンドが結成されたのか教えてください。

春木:私が一緒にやりたいなと思った各メンバーに声を掛けました! 次に始めるバンドは私にとって最後のバンドにしようって考えていたので、本当に一緒に活動したいメンバーでやりたいなと思って。

YUTAKA:そうそう! 春木とは前からバンド仲間で、僕は当初違うバンドでベースを弾いてたのですが、急にLINEが来ました(笑)。

-そして、このたび「アイアムヒーロー」がTBSの深夜5分番組”イベントGO!”の2月度オープニング・テーマに選出されました。おめでとうございます! 初のタイアップとのことですが、選ばれたときはどんなお気持ちでしたか?

寛尊:めっちゃ嬉しかったです! 春木さんの作る曲はキャッチーだしポップだしメロディがすんなり入ってくる曲ばかりなので、タイアップを取りたい……きっかけが欲しいってずっと思っていた矢先だったので、すごく嬉しかったですね。

-一度聴いたら頭から離れなくなるメロディで、オープニング・テーマにはぴったりだと思いました。明るくポップな曲調ではありますが、歌詞には何か強い意志が込められているように感じます。この曲はどういった想いがあって生まれたのですか?

春木:これは母に向けた曲なんです。私にとってのヒーローって誰だろう? って考えたときに両親だなって。特に母はひとりっ子の私にとって母であり姉みたいな感じで、私が困ったときや、間違った道へ行こうとしたときに一番近くで手を差し伸べてくれる存在でした。喧嘩も母が最強で(笑)。でも、ある日喧嘩したあと、しょんぼりした母の背中がとても小さく見えて、すごく寂しくなったんです。今度は私が頼れる存在になりたいし、何かしてあげたいって考えたんですけど、今の私には何もできないし、できる力もお金もないって。そのなんだかやるせない気持ちをこの曲に込めました。

-また、4月に1st EP『ICE CREAM』のリリースも決定しましたが、こちらはどんな作品になりましたか? 完成させた感想も聞かせてください。

春木:今までにないアイスカルフをお見せすることができる作品になったと思います。

-「夜は短し走れよ大人」は今作の中では一番アッパーで、ロック色の強いナンバーですね。この曲はどのようなテーマで作られたのでしょうか?

春木:”頑張りすぎてる大人”へ向けた曲です。今までの私の曲は、さらりと聴くとポップで爽やかなのが多くて、ポジティヴ人間みたいじゃないですか。でも私の中身はそんなにポジティヴな人間じゃないので(笑)、このタイミングで私の捻くれた部分も出せたらと思ってガラリと雰囲気を変えてみました。歌詞もことわざを皮肉って書いてたりしてます。

-「じゃあね。」は曲の中での変化が面白いですね。アレンジにはどんなこだわりがありますか?

春木:切なくなるフレーズやメロディ展開にこだわって、曲の途中から聴いてもグッと引き込めるようなアレンジにしました。

寛尊:僕はこの曲が一番苦戦しました。今回の作品は、春木さんが結構しっかりと考えてきてくれて、ある程度固まった部分にフレーズを入れるという作り方だったのですが、なかなかハマるフレーズを思いつけなくて、いわゆる僕の苦手なジャンルの曲だったんです。曲自体は聴いた瞬間から大好きだったのに思いつかない……ってレコーディングのギリギリまで悩みました。

-ラストは浮遊感のあるサウンドの「good night , sheep」です。この曲にはどんな想いが込められているのでしょうか?

春木:この曲は迷える子羊、私自身に向けた曲ですね。ライヴや練習が全然うまくいかない時期があって、アイスカルフとして成長できてないんじゃないかとか、目に見える成果がなくて不安で仕方なかった期間があったんです。でも、ライヴで観てアイスカルフを好きになってくれる人が増えて、私Twitterとかですごいエゴサするんですけど(笑)、そういうことをつぶやいてくれてるのを夜な夜な見て、なんとか元気になって。そのときに、私の歌詞が好きっていうつぶやきを見つけたのがきっかけでこの曲を作りました。メンバーや家族は私の歌詞を褒めてくれるんだけど、偶然アイスカルフに出会ってCDを手に取ってくれた人が歌詞を褒めてくれたってことが、本当に嬉しくて。私自身の背中を押すために書いた曲が誰かの曲になった。その瞬間がたまらなく愛おしい。その想いを込めて書きました。

-今作『ICE CREAM』の中でそれぞれの推し曲、推しパートはありますか?

寛尊:「夜は短し走れよ大人」です! 僕のギターがカッコいいので聴いてください!

YUTAKA:僕的には「コトバの魔法」のギターもかなりいいと思います。寛君の手癖がもろに出てる曲だと思うし好き!

春木:「夜は短し走れよ大人」のサビ! オクターブで弾くベースも個人的に大好きです! 歌詞は「good night , sheep」が一番気に入ってます。

-最後に読者にメッセージをお願いします。

春木:読んでいただきありがとうございます。アイスカルフ? 誰? って人もたくさんいると思うのですが、ぜひこれを機に興味を持っていただけると嬉しいです。それといつも応援してくれるみんな、ありがとう! 2019年、アイスカルフをどうぞよろしくね。

インタビュー全文はこちら>>

Presented by.