Pororoca

インタビュー

各駅停車でしか止まらない駅もあるし
自分のペースで壁を越えていけばいい

このたび”4th GIANT LEAP PRIZE”に選出された4人組バンド、Pororoca(読み:ポロロッカ)。2014年に結成、2018年4月に紅一点の小田衣里子が加入し、現在の編成に。そして、今の自分たちの実力を多角的に発揮した3曲入りの2ndシングル『ローカルトレイン』を12月21日にリリースしたばかり、という絶好のタイミングでインタビューは行われた。誰もが自身を重ね合わせやすい歌詞とメロディ、それでいて様々なジャンルを消化し、音色にこだわったトラックが、プロフェッショナルな才能を感じさせる。ぜひ注目してみてほしい。

-どんな音楽性のバンドになりたくて結成されたのですか?

井上:単純にギター・ロックみたいなところではやりたくなくて。例えば、ロックっぽいけど和風のメロが入っていたり、ジャズっぽいものが入っていたり、ブルースっぽかったり、いろんなジャンルが入っている音楽をやりたかったんです。

-メンバーそれぞれが好きなジャンルも様々なのでしょうか?

井上:そうですね、僕は演奏やコードも聴いてきた人間なので、曲を作ると軽い聴き心地になってしまったりするんですけど、そういうときに(北原に)ガツンとしたサビを作ってもらったりするんです。太郎は太郎で、キャッチーなものを作るのが得意で。

-そして、小田さんが加入したのは2018年の4月。小田さん、まだ学生さんなんですよね?

小田:はい。私はブラック・ミュージックやジャズ・ポップ、ネオ・ソウルとかが好きで、Pororocaのような音楽はよくわからなくて右往左往で……。でも、「HERO」(2017年3月リリースの1stミニ・アルバム『明日あなたに会えるなら』収録曲)は得意ですね。

-「ローカルトレイン」についても詳しく訊いていきたいのですが、踏切の音が入っているインパクトが大きくて。

井上:最初にリフがあったんですよ。でも、歌詞とメロができなくて、太郎に投げたら1日くらいで書いてきてくれて。歌詞を見ると、電車じゃないですか。もともとの曲のイメージもあって、聴いたら風景が浮かぶものにしたいと思って、スタジオで(踏切の音を入れることを)思いついたんだよね。

山田:歌詞は、まず”ローカルトレイン”って各駅停車っていう意味で。僕は岡山出身なんですけど、同じく田舎の方から出てきて、今大阪で働いている友達がいて、その友達の話を聞いて感じたことと、僕が上京して電車に乗るなかで感じていたことがリンクして。その友達は、みんなが日々をこなしているのに、自分は全然できていない気がすると。電車でもみんな何かとせかせかして快速を利用している。でも、快速しか見ていないからそう思うかもしれないけど、各駅停車でしか止まらない駅もあるし、自分のペースで壁を越えていけばいいんじゃない? って思ったんですよね。

-では、今回”4th GIANT LEAP PRIZE”に選ばれたことに関してはどう思っていらっしゃいますか?

山田:やっと自分たちができることとやりたいことが合致して、楽しいねってなっているタイミングでこうなったので、この道のりで良かったんだなって思えました。

-では、この選出に結びついた”BIG UP!”のような音楽配信代行サービスに関してはどう捉えていらっしゃいますか?

井上:僕らは流通を通していないので、ライヴ会場に来なきゃCDを買ってもらえないし、ライヴ会場に来るには半日の時間と、チケット代とドリンク代がかかって、さらに目当てのバンドがいれば彼らのものを買いたいなかで、自分たちのCDを買ってもらうって大変じゃないですか。でも、ライヴから帰ってそういうサイトを調べたら聴けて、そこで良かったら”またライヴ行こう”ってなると思うんです。ライヴに来れなくても、日々の傍らに僕らの音楽を置いてもらえるようになると思うし。

北原:その人の生活の一部になっていきたいですね。

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