バンド欲が繋いだROKIのルーツと音楽、ライブへの熱量
インタビュー
『BIG UP!』を利用している注目アーティストをピックアップして紹介するインタビュー企画。第6回目はROKIが登場。
バンド結成の経緯とそれぞれのルーツ
- ROKIはどのような経緯で結成されたのでしょうか?
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松元りんたろう:
もともとは3~4年くらい前にライブハウスで出会ったんです。大樹とハヤトが2人で別のユニットをやっていて、自分がやっていたバンドと対バンで一緒になって、かっこいいなと思って話しかけたのがきっかけです。そこからなんとなく付き合いはあったんですけど、2017年の8月か9月のお昼ぐらいに急に大樹から「一緒にバンドやろう」ってLINEがきて、即答で「やるよ」って返事を返しました。
- 連絡をもらった時は他にバンドはやっていなかったんですか?
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松元りんたろう:
そうですね、僕はバンドやりたいなと思いつつ、1年くらいなにもしていない時期でした。
- それは山崎さんとヤマグチさんのところに加わるという形だったんですか?
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ヤマグチハヤト:
ROKIは結成してから2ヶ月くらい別のドラマーだったんですよ。でも「やっぱりドラムの音でかいから入って」って。
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渡辺岳:
僕がメンバーに加わったのは本当に最近です。
- 山崎さんはそれぞれのメンバーのどの部分に惹かれて勧誘したんですか?
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山崎大樹:
楽器ができるから、それだけです(笑)。僕は友達あんまりいなくて、ベースもドラムもギターも友達は彼らだけでしたから。でも今は他に人脈なくてよかったなって思います。
- 山崎さんとヤマグチさんはどういう繋がりだったんですか?
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山崎大樹:
ディスコ的な場所でたまたま知り合ったんです。
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ヤマグチハヤト:
お互いベロベロで、あんま覚えてないんですよね(笑)。でもLINEは交換していたらしくて、1年後くらいに突然大樹から連絡が来たんです。フットサル感覚で「バンドしませんか?」って。俺もバンドやっていたんですけど、やめて暇だったので一緒にスタジオに入って、ベロベロに酔っ払って、そこからですね。
- ではみなさん出身とかもバラバラなんですね。
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ヤマグチハヤト:
そうですね。
- そんなみなさんがバンドとして一つになれた要因ってなんだったんでしょうか?共通のルーツとかがあったんですか?
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松元りんたろう:
みんなそれぞれ好きなものがあるし、共通している部分もあるけど、ど真ん中に何かあるかって聞かれたら「バンドやりたい」って精神的な方かもしれないですね。
- なるほど。ではみなさんが音楽をやり始めたきっかけを教えてもらえますか?
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渡辺岳:
僕が楽器を最初に始めたのはギターじゃなくて吹奏楽部だったんでチューバでした。小学生の頃にサッカーをやってたんですけど、ギックリ腰で続けられなくなって吹奏楽部に移ったんです。でも、ダサいなと思って高1の頃にロックバンドに憧れてギターを始めました。
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ヤマグチハヤト:
ドラムは中2の選択授業で初めて触りました。当時の音楽先生がX Japanの解散ライブで鑑賞テストをするような面白い人で、バンドを組んでみんなで発表する授業があったんです。でも、ギターとベースはもともと出来る奴がいるんですよね。俺はやりたいパートが何もなかったから余ったドラムをやっていたら、なんか今まで続いちゃった感じです(笑)。
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松元りんたろう:
自分は家にフォークギターがあって、それを弾きたいと思って触り始めたのがきっかけです。ネックもそれて、ボディも膨らんでて、到底弾けるものではなかったんですけどね。その頃から友達に借りてベースは弾いてたんですけど、7年くらい前に楽器屋でバイトをしている時に、同僚に貸してもらったcocobatのCDがもうめちゃめちゃバキバキのスラップを弾き通してて、それがめっちゃかっこいいと思って本格的にベースを始めました。cocobatはライブもよく行ってました。
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山崎大樹:
僕は生まれた時から口笛を吹いて、曲を作ってました…。
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松元りんたろう:
待て待て!1人だけ偉人化してる(笑)。それでいいの?
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山崎大樹:
大丈夫です。いつも通り(笑)。
- 影響を受けたアーティストはどんな方がいますか?
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渡辺岳:
最初、くるりが好きでよく聴いてました。そこからバンドに詳しい先輩に教えてもらったのがOasisやThe Rolling Stonesで、高校3年間はThe Rolling Stonesにめちゃめちゃはまってました。あと日本だとTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTですね。そこからギターを教わりつつ弾いていたので、その2つがずっと根幹にあると思います。
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ヤマグチハヤト:
俺はドラム始めるまで音楽は好きでも嫌いでもなかったんですけど、音楽室でDeep Purpleを聴いたのがきっかけで音楽に興味を持ち始めました。そこからSUM41がめちゃめちゃ好きになったんでUSパンクをよく聴いてました。そこがドラムを始めたきっかけでもあるし。
あと大樹と2人でバンドを始めた頃、ディスコ的なところで1番好きだったのがThe Prodigyでしたね。この間、亡くなっちゃいましたけど。 -
松元りんたろう:
僕が1番好きなのはオルタナ、グランジ辺りですね。Nirvana、Mudhoney、Soundgarden、Dinosaur Jr.とか、そういう音楽がルーツなバンドを自然と聴いてる気がします。でもなんでも聴きますよ。自分で最初に買ったCDはTHE ALFEEだったし。小学生の時に『サラリーマン金太郎』の主題歌に使われてて、その曲が聴きたくて毎週観てました。
洋楽を聴き始めたきっかけはQUEENですね。小学校の卓球部の顧問の車で流れていて、車の中ですごく感動したのを覚えてます。 -
山崎大樹:
僕は2つあって、まず1つはゆずです。『トビラ』ってアルバムが出た時、超元気いっぱいの奴らが自分の事嫌いそうな曲を歌ってるのが好きでした。
もう1つはNirvanaですね。僕は親が離婚して下宿に入ったんですけど、そこに同じような人がいて、そいつはNirvanaで気持ちを浄化してたんです。そんなんアホだなって思いつつ、そいつから借りたらすごいよくて、そこから音楽は暇つぶし的な趣味ではなく、好きなものに変わりました。Nirvanaは真ん中にすごく繊細なところがあるんです。なんで、それを無視して爆音で好き勝手やってると思っている人は超嫌いです。
人によって解釈の異なる歌詞
- 曲と詞は基本的に山崎さんが作っているんですよね?
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山崎大樹:
そうですね、それぞれのフレーズを簡単に作って、みんなが編曲してくれています。
- 曲はサクサク作れる方ですか?
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山崎大樹:
自分の中にはいっぱいありますけど、メンバーに聴かせられないものもいっぱいあります。自分で一回フィルターをかけて、さらにバンドの内部でフォルターをかけて、ライブでやっていくという流れが多いですね。
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ヤマグチハヤト:
1回、めちゃくちゃ酔っ払ったときに、みんなで試聴会みたいになって(笑)。そういう時に「いいじゃん、これ」ってなることもあります。
- 酔っ払って披露した曲が、実際に採用されたことはあるんですか?
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山崎大樹:
ちゃんと出来てないのに聴かせるって事は多分やらない曲だと思うんですよ。だから聴いてもらっている気がします。
- 歌詞は書く時はどのように進めているんですか?
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山崎大樹:
描きたいものはその時々で違うので、とりあえず紙に向かってペンを持つという感じです。歌詞が1番時間かかりますね。
- 山崎さんの詞は具体的な固有名詞がたくさん出てきますよね。
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山崎大樹:
その方が自分が言いやすいからってだけです。名前が入っていると思いも込めやすいですし。
- 歌詞は曲ができてからつけるんですか?
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ヤマグチハヤト:
最初のデモ状態の時に歌詞もセットでもってきてくれるので、合わせる前に読む事が多いですね。
- 他のみなさんは、山崎さんの歌詞をどう見ていますか?
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ヤマグチハヤト:
いい意味で分からないというか、J-POPみたいな分かりやすいのがない。
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松元りんたろう:
歌詞については、今までバンド内で話すこともあったんですよ。大樹にこうしてほしい、あぁしてほしいっていう話ではなく、どう受け取っているのかっていう話をしたことがあって。その時に「人によって解釈が変わってくるよね」って話をしましたね。
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渡辺岳:
リアルというか、情景描写が浮かびやすいというのは感じますね。
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ヤマグチハヤト:
ふわっとしてるけど名詞があるからバランスが絶妙というか。
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渡辺岳:
世代な単語を突き刺してくるよね、「トイザらス」とか“あったなぁ”ってなるし(笑)。
- 固有名詞で景色ははっきり見えるけど、それを見ている人だったり、その人の心情だったりで受け取り方が変わってくるんでしょうね。それは狙ってやっている訳ではないんですよね。
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山崎大樹:
単語でもイメージでも1個言いたいテーマがあって、それにむかってどう話ができていくのか、主観でしかないんですけど、自分がどう思うかってことを書いてます。描写も、例えば日曜日の朝洗濯したら割と気分いいじゃないですか。でもその後の過ごし方でその日曜日がどうなるか決まるし、そもそも洗濯が嫌いな奴ならもう疲れたってなるし。同じ描写でも、その時自分がどう思うかを考えて作るのが好きですね。
- 4月10日には初の全国流通盤であるミニアルバムのリリースがありますが、この作品からはどんな景色を思い浮かべて欲しいですか?
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松元りんたろう:
曲をこう捉えなきゃいけないとかも全くなくて、自分の好きなように解釈してもらえたら嬉しいです。単純にシンプルだから「わぁ、かっこいい」って思ってもらえたらいいかなって。ただ、個人的にあった出来事で満員電車に乗ってる最悪な時に外がすごく綺麗で、自分のイヤホンから5曲目に入っている「悪い場所」が流れてきた時はちょっと泣きそうになりましたね。この気持ちを誰かと共有できればいいなって思いますけど、まぁ自由に聴いてください。
今は「ライブをしたい」以外は出てこない
- ROKIはライブの評判の良さからどんどんとバンドの名前が広まっていると感じているんですが、みなさんがライブで大切にしていることはありますか?
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松元りんたろう:
あるはありますけど、ここで言うようなことじゃないですね。
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一同:
かっこいい!
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松元りんたろう:
違う違う、具体的な恥ずかしいことを言うからだよ(笑)。
- そう言われると余計気になりますね。
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松元りんたろう:
でも観てくれる人のために一生懸命やるというのは絶対です。
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ヤマグチハヤト:
自分たちが楽しむのも絶対かな。それを観てお客さんに楽しんでもらうことも大事だし。
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渡辺岳:
単純にその日出る出演者の中で1番かっこいいギターを弾きたいなっていう思いしかないですね。単細胞なので細かく考えられないんです。
- 今後の活動としては、すでにライブの予定がかなり埋まっていますよね。
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松元りんたろう:
数は気にしない方ですけど、最近は最終的にそのくらいのボリュームにはなってますね。
- ライブ以外にはバンドとして積極的にやっていきたいことはありますか?
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松元りんたろう:
音源は今回いいのができたから、次回もいいのをつくるのは当たり前で。それ以外だったらやっぱりライブをしたい以外は出てこないですね。ROKIに関することでライブと制作以外にしたい事は全然思いつかないです。
- では今後の目指すべき目標などはあります?
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松元りんたろう:
高校生みたいなこと言いますけど、<ROCK IN JAPAN>のグラスステージにはいつか立ちたいですね。
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ヤマグチハヤト:
確かに、それは出たい。でも、“俺ら最強だろ”ってライブをしていても、どんどんすごい奴らが出てくると思うんで、そういうのを繰り返して成長していくのかなって思ってます。
- “ライブしてる時が1番”ということですね。
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渡辺岳:
ちょっと怖いですけどね。怖い時ない?
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松元りんたろう:
俺は毎回ライブの前めっちゃ緊張します。
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ヤマグチハヤト:
俺も。あがり症というか…。
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山崎大樹:
ドキドキするのがいいんじゃないんですかね。
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渡辺岳:
ドキドキがライブで徐々に消化されて、気づいたらなくなってるっていう。ライブしている時だけ体感時間がすごい短いんですよ。5分くらいで終わったんじゃないかってくらい。その感覚がたまらないんですよね。
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山崎大樹:
ずっとバンドできたらいいなって思います。アホみたいに息長いバンドではなくて、ちゃんと前を走りながらも作る音楽に自分らで固執しないで、やり方とか変えながらやっていきたいです。シンセが必要だったらシンセ入れるとか、柔軟に出したいものを1番いい形で出す事を続けていけたらなって思うんですよね。崩れていく奴らは固執してアウトプットが下手くそになっているだけだと思うので、柔軟にやっていけたらずっと続けられるんじゃないかなって思います。
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ヤマグチハヤト:
Radioheadとか?
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山崎大樹:
Radioheadとか上手いよね。あとはPrimal Screamとか。
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渡辺岳:
ああいうバンドの進み方は憧れるよね。めちゃくちゃロックやっている時期もあれば、シンセが入ってくる時期もあって、かえってそれが我が道を行ってる感じでかっこいいなって。
- 自分のやりたい音楽を純粋にやっている人たちですよね。
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山崎大樹:
それが一番いいですよね。余計なこと考えてなくて。
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渡辺岳:
媚びを売るより、エゴを認めさせるっていう。そうやっていきたいよね。
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