ソロアーティストとして再始動。南条采良が目指す諦めきれない夢とアーティスト活動への思い
インタビュー
『BIG UP!』を利用している注目アーティストをピックアップして紹介するインタビュー企画。第96回目は南条采良が登場。
2002年生まれのシンガーソングライター、南条采良。パワフルな歌声と、高いパフォーマンス力も兼ね揃えた彼女が、2023年1月21日に配信シングル「Promise you」をリリースした。
2016年よりダンスボーカルグループ・α-Xʼs(アクロス)やダンスボーカルユニット・Jump up Joyなどでグループ活動を始め、2022年にソロアーティストとして再始動した南条采良。グループ活動を通しアーティスト活動に魅了された彼女が、ソロ活動でファンに気持ちを伝えるべく最初に取り組んだのは、12ヶ月連続のシングルリリースとその作詞だ。連続リリースの締めくくりとなる本作「Promise you」は、彼女が抱く素直なファンへの感謝の気持ちが綴られた楽曲となっている。
連続リリースを無事に終え、2023年3月21日にはアルバム『NEW WORLD』のリリースも決定している南条。本インタビューでは、アーティスト活動を始めたきっかけや上京当時の想い、連続配信リリースを進める上での心情の変化、アルバム制作秘話やライブの意気込みなどを訊く。彼女の過去と今、そしてこれからをたっぷりと語ってもらった。
もともとはダンサー志望。アーティスト活動という天職との出会いと上京
ー南条さんはα-Xʼsなどで学生時代から活動されていますが、アーティストとして歩み始めたきっかけはどのようなものだったんですか?
もともとは地元でダンスを習っていたのでダンサーになりたくて。中学生のとき、avexが主催してる<キラット☆エンタメチャレンジコンテスト>を受けたんです。コンテストの結果はグランプリにはなれなかったけど、コンテストの映像を見たスタッフさんから声をかけてもらってα-Xʼsのオーディションに参加して合格しました。
ーもともとはシンガーではなくダンサー志望だったんですね。歌はグループを組んでから本格的に始めたんですか?
そうです。14歳のときに上京してグループ活動をし始めて、それからボイストレーニングを始めました。大好きだったダンスも、歌いながら踊ると思うように踊れず。ダンスに力を入れると息が切れてまともに歌えなかったりして…。子供ながらに歌って踊ることの難しさを痛感しました。
ー出身は熊本県なんですよね。当時14歳で熊本から上京するのは大きな決断だったと思いますが、そのときの心情を振り返ってみていかがですか?
怖いもの知らずだったので「早く東京に行きたい!」みたいな感じでした(笑)。実家で、両親に上京したいと話したとき、お母さんは「あなたのやりたいことなら応援するよ」って背中を押してくれたんですけど、お父さんは心配な気持ちの方が強かったみたいで、なかなか賛成してくれませんでした。でも、「どうしても上京して活動したい」と何度も言って、やっと許してくれました。東京に出発する前の日の夜は、お父さんが寂しそうだったので一緒に寝たのを覚えてます(笑)。
ーすごく良い話ですね! その後、α-Xʼsでの活動を経て、Jump up Joyを始めたんですよね。
α-Xʼsで活動してた期間、今じゃ考えられないような大きなステージをたくさん体験させていただきました。間近で先輩方の姿を見ることができて、今思うと本当に貴重な経験だったと思います。私の人生の転機は間違いなくこの期間でした。
当時は、α-Xʼsのメンバーで東京ドームに立ちたいと、本気で思ってたんですよね。解散が決まったときは、正直途方に暮れました。メンタルもボロボロで、ストレス性胃腸炎で救急車で運ばれたことも何回かありました(笑)。でも、どうしてもこのメンバーで東京ドームに立ちたいという漠然とした夢だけが残ってしまって。考えて考えて考えた結果、自分で声をかけたメンバーでグループを作ってJump up Joyとして活動し始めたんです。
ーソロになった経緯としてはグループの解散が大きいと思いますが、ソロで活動する決め手はあったんですか?
メンバーも減ってしまい、コロナで活動もできなくなってしまって…。Jump up Joyの解散は私にとって初めての挫折でした。アーティスト活動をやめようかなと本気で悩みました。
1度足を止めて、気持ちもリセットして、自分自身の心の本音を探りました。地元に帰る飛行機のなかで音楽を聴いていたら、浜崎あゆみさんの「Love song」が流れてきて。《歌のない 人生なんて そんなの 見当もつかない ゆずれない 想いがなけりゃ つまんない 意味がない そんなんじゃない》って歌詞があるんですけど、それを聴いてたら自然と涙が溢れてきたんです。いろいろ悩んできた答えが見つかったような気がして。そこで、私は歌って踊れるアーティストとして生きていきたいなと改めて思ったんです。この決意と同時にソロアーティストになることも決断しました。
ーかなり勇気のある決断ですよね。
Jump up Joyが解散したあとも、正直またグループ活動がしたいなって思ってたんです。ガールズユニットに誘われて話を聞きに行ったこともありますし、有名オーディションの募集要項もチェックしてました。グループ活動に関して不完全燃焼な部分もありましたから…。でも、長い間考えてみて、この活動を続けていくためには、メンバーに頼る自分でいるのではなく、一人でも輝ける私になりたいと思ったんです。
ソロだと全部自分の責任だから、覚悟を決めて、ゴールを決めて、走れるのかなって…。
ー1stデジタルシングルの「Do out」は、自分で決めた道を突き進むという思いが反映された歌詞だと思うんですが、その歌詞もソロ活動に向けた意気込みと一致するものがあった?
そうですね。「Do out」の歌詞に取り掛かったときはソロ活動への決意を固めた直後だったので、当時の自分に言い聞かせるような歌詞になってます。もし、これから道に迷うことがあったら、この曲を聴いて踏ん張りたいですね。
ーグループとソロとではパフォーマンス面の考え方も大きく変わってくると思いますが、何か実感した変化はありますか?
グループ活動だと、人数分の魅力と個性が集まるじゃないですか。でもソロアーティストだと歌割りもMVもステージ上も1人なので、1人でいろんな魅力を見せるためにはどうしたらいいんだろうって、いっぱい考えています。
12ヶ月の作詞経験を経て感謝を伝えた「Promise you」
ーこの1年、12ヶ月連続でデジタルリリースをしてきたじゃないですか。ソロになったことで苦戦することもありながら、作詞をして連続でリリースするのはすごく大変で忙しかったのではないかと思うんですが、いかがでした?
めちゃくちゃ忙しかったです(笑)。作詞への挑戦も初めてだったので、何から書いたらいいかわからないし。伝えたいことを膨らませて歌詞にするにはどうしたらいいんだろう、みたいな。わからないことだらけだったので、2〜3曲目くらいのときは本当に12曲全部出せるのかなっていう不安もありました。締切が近づいてくると徹夜で詩を書いてました。
ーそもそも12ヶ月連続配信を始めるきっかけは何かあったんですか?
ソロ活動をするにあたってまずオリジナル楽曲が欲しかったんです。そして作詞にも挑戦してみたくて、その気持ちから12ヶ月連続リリースを始めました。本格的にソロ活動するための準備でもありました。
ー作詞するときはどんなふうに取り組むことが多いですか?
カフェに行ったり、公園に行ったりいろいろ試したんですけど、全然集中できなくて…。カフェのテラス席では、「あのワンちゃんかわいい〜」とか(笑)。それがわかってからは、「よし! 歌詞を書くぞ!」と意気込んで、家にこもって考えています。
ー1月21日には、連続リリース最後の曲「Promise you」もリリースされました。
12ヶ月連続リリースの最後にふさわしい楽曲になったと思います。応援してくださっている皆さんに伝えたい気持ちを綴りました。アレンジや楽器の細かい音色までこだわったので、たくさん聴いてほしいです。
ー「Promise you」で特に気に入ってるポイントはありますか?
たくさんありすぎて……。私から曲を聴いて下さる皆さんへお手紙のように書いたので、最初から最後まで全部聴いてほしいなって思います。「また会おう!」っていう気持ちで、ライブの最後に歌って一緒にクラップしてる景色を想像して作りました。
ー3月には初のアルバム『NEW WORLD』もリリースされますが、どんな作品になりそうですか?
1曲目から最後の曲まで飽きずに聴いていただけると思います。全部が似た系統の曲にならないように、いろんな表現ができるアーティストになりたいなと思いながら楽曲を作りました。このアルバムは、私らしさを表現できる作品になったんじゃないかなと思ってます。
ーそのなかでもご自身が一番自分の声にハマったと感じる曲はありますか?
今回アルバムのタイトルにもなっているリード曲「New World」が個人的には一番魅せたい自分になれるのかなと思ってます。「早く歌いたい! 早く踊りたい!」って思うくらいかっこいい曲で、ライブでも盛り上がれるナンバーだと思います。
ー反対に、アルバム収録曲のなかで特に苦戦した曲はありますか?
作詞も歌も両方難しくて苦戦したのが、一番最初に作った「Do out」でした。本当に無知な状態で作ったので、歌詞を書くのに半年以上かかって。難しい言葉を使おうとして余計伝わりづらいとか、同じ言葉が何回も出てくる歌詞になっちゃったんですよね。高い音程にこの言葉があると歌いづらいっていう知識も無くて、レコーディングのときはすごく苦戦しました。
グループで歌っていたときの感覚で作詞をしていたので、言葉がすごく重なっちゃう部分もあって。歌ってみたら「息継ぎできないんじゃない?」みたいな(笑)。だから、アルバムにはトラックもアレンジして歌も再録した「Do out – NEW WORLD Ver -」が入ります。最初の作品ということで思い入れもある楽曲なので、今後も大切にしていきたい1曲です。
ー「Do out」から「Promise you」まで、12ヶ月のなかでの成長はご自身でも感じますか?
すごく感じます。私は「これを伝えたい!これを届けたい!」っていうのがなかなか表現できなかったんですけど、作詞を始めてからは詞を通して自分を表現できるようになってきました。手探りでスタートした楽曲制作でしたが、たくさんの方に助けていただきながら1年間過ごしてきて、自分の音楽の世界が少しづつできてきたんじゃないかなと思ってます。
夢への第一歩、初のソロライブに向けて
ー5月にはアルバムのリリースを記念したライブもあります。ライブを控えている今どんな気持ちですか?
とっても楽しみですが、正直不安はあります…。オンラインライブは1回だけやったことがあるんですけど、そのときとは全然違う感覚だろうし。
どういうパフォーマンスをしたらいいんだろうってちょっとずつ想像を膨らませているところです。会場も決まって、セットリストも決まってきたので、あとはしっかり練習して体力をつけて、会場に来ていただく方が心からハッピーになれるライブにしたいです。
ーオンラインライブ以外のライブでいうと、グループの頃を含めてもかなり久しぶりになるんですか?
そうですね。3年振りです。本当にありがたいなと思うのが、3年も直接会えてないしイベントもやってないのに、インスタのDMとかで「ライブやる日は絶対観に行くからね」ってメッセージをくれたり、TikTokにコメントしてくれたりするファンの方も多くて。本当に恵まれてるなと思います。嬉しいですね。
ー南条さんがアーティスト活動するなかで大切にしてることはなんですか?
とにかく自分の作品にこだわりを持つことです。作詞作曲はもちろんのこと、撮影のディレクション、ミュージックビデオのコンセプト決め、衣装のスタイリングやジャケ写デザインなど、全てを監修するようにしています。
ーこれからアルバムのリリースやライブが控えているタイミングではありますが、次に挑戦してみたいことはありますか?
作曲ができるようになりたいですね。作詞をしていくうちに、「この歌詞にはこんなメロディが良いかな」と色々考えるようになってきて。いつかは作詞だけじゃなくて作曲も自分でやって届けられたらいいなって思います。
あとは女優業にも挑戦したいです。色々な人を演じて表現の幅を広げたいと思ってます。
ーこれから活動を続けていく上での長期的な目標はありますか?
成し遂げたい目標は東京ドームでライブをすることです。初めて東京ドームでライブを観たときに、本当に感動したんです。会場によって、できる演出だったり魅せ方は違うと思うんですけど、私はあの会場でエンターテインメントを作り上げたいんですよね。生半可な気持ちでは絶対に立てない場所だと思うし、ソロで歌って踊る女性アーティストさんで言うと浜崎あゆみさんや安室奈美恵さんなど、歌姫と言われる大スターしか立てないような場所じゃないですか。「こうしたらここに立てる」みたいなことはないと思うんです。
まずは、自分ができる努力を続けるとか、周りの方に注意されたらそれを素直に受け止めて反省するとか。小さなことから成長できるように頑張ります。諦めない限り道は続きますから、地道に一歩一歩進みたいです。まずはこの記事を読んでくださった皆さんに応援してもらえるアーティストを目指して、全力で頑張ります。
Presented by.DIGLE MAGAZINE
【RELEASE INFORMATION】
New Digital Single「Promise you」
2023年1月21日リリース
▼各種ストリーミングURL
big-up.style/G6c6zDPSYY
外部リンク
> Twitter > Instagram > TikTok > YouTube
【EVENT INFORMATION】
Sara Nanjo 1st Album 『NEW WORLD』Release Event
日程:2023年5月5日(金)
会場:代官山ODD
時間:開場 15:15 / 開演16:00
※1ドリンク代別途 ¥600
※整理番号順の入場となります
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