『Beyond The Campus vol.1』 – The Bagpipes インタビュー –

インタビュー

結成からフジロック出演までの軌跡

はじめに

『Beyond The Campus』とは、早稲田大学の公認レーベルサークルWaseda Music RecordsがBIG UP! zineとタッグを組み、学生アーティストにインタビューを行う企画です。本企画はリレー形式となっており、最初のゲストとして7月30日(日)に行われたフジロック’23 ROOKIE AGO-GOに出演されたThe Bagpipesさんにインタビューを行いました。

結成した経緯について

-まず、結成した経緯やオリジナル曲を作った経緯について教えていただきたいです。

アレックス)ロックラ(早稲田大学の軽音サークル)に僕が1年生の11月頃に入って、そのあとに皆来たね。
山本)そうね。
アレックス)ちょっと仲良くなってから人を集めようかなって思って、去年の6月くらいに結成しました。
山本)はっぴいえんどのコピーバンドをした時にほぼこのメンバーでやって、相性良いなって思って。そこからオリジナルバンドになりました。

-オリジナルを元々やりたかったんですか?

アレックス)僕と日髙は高校が一緒でずっとオリジナルバンドをやっていて、そこから続けてます。
日髙)僕は高校の時に「アレックスが音楽をやってる」って聞いてやってみようかなと思いました。
山本)僕は元々オリジナルはやってなくて。地元も違うので大学を機に上京してきたんですけど、オリジナルをやりたいなって思って。高校の時にYouTubeで軽音サークルを調べて、ロックラを見て格好良いと思いました。地元が超田舎なので、ロックラ界隈の人たちがやってる曲は誰も知らない様な曲で、「こういう曲を知ってる人たちが同年代にいるんだ。上京したらロックラに入ろう」と思いました。

-初めて配信した楽曲や、初めてライブした日のお話とかありますか?

アレックス)初めて配信した曲は「Teardrop」っていうシングルです。「Teardrop」自体の配信は去年の11月なんですけど、7月が初ライブで。6月の頭くらいに「俺らこのライブ出ちゃう?」ってなって、11月にやっとシングルが出せたって流れでした。部室で全部撮ったんです。マイクも誰でも持ってるみたいなやつで。大変でした(笑)。

-ライブが先という流れで配信したっていう形ですかね?

山本)そうですね。

-EPという形でのリリースでしたが、作った時期はいつ頃だったのですか?

日髙)リリースの1年前くらいです。このバンドで最初にやった曲が、俺が作った「花曇らず」というEPに入っている曲です。 元々バンド用というわけではなく、自分で作って出来たなって曲でした。その時にははっぴいえんどでコピーバンドをやっていたので、メンバーに持ち掛けて一回合わせてみようということになって。

影響を受けた楽曲について

-影響を受けた楽曲5選を教えていただきたいです。

アレックス)バンドで2曲、個人で1曲ずつ選びました。バンドとしては、はっぴいえんどの「抱きしめたい」と、The Beatlesの「Come Together」。「抱きしめたい」に関しては、オリジナルをやるようになって、俺らが始まってからも一度ライブでやった曲です。あのぬるっとしたテンション感がバンドに合う気がします。

-The Bagpipesのライブ中にカバーをされることもあるんですね。

アレックス)ほとんどしないです。1回だけやったのがその「抱きしめたい」です。
山本)でもしたいよね。
アレックス)ライブで1回はカバーやろうってずっと言ってて。でも毎回ギリギリになって全然出来なかったんです。今後に乞うご期待。もう一曲が「Come Together」。
日髙)The Beatlesは3人とも好きです。グルーブとサウンドがシンプルでかっこよくて、ノリが良くて好きです。
アレックス)1番目指すべき姿です。個人的には、Bon Iverの「Skinny Love」。この曲はギターをやる前からずっと聴いてたし、始めてからも聴いてました。Bon Iverが本当に1番好き。全アルバム好きで、全アルバム聴くことの始まりみたいな曲が「Skinny Love」。コーラスとか、ちょっと寒い感じが上手いなと思ってます。

-日髙さんはどうですか?

日髙)James Taylorの「Country Road」。James Taylorははっぴいえんどとか、僕の好きなアーティストが影響を受けたアーティストとして、自分が曲を作る上でも基本となっています。James Taylorの曲は、いつ聴いてもどんな状態、どんな季節で聴いても自然体。何聴こうかなって迷った時にはとりあえず聴いてます。

-作曲は基本的に日髙さんがやられてるんですか?

日髙)俺とアレックスです。
アレックス)作詞は全部僕です。「笑う」って曲だけ歌詞はほぼ日髙です。作詞のメインは僕です。

-EPの構成的に日本語と英語の歌詞が交互になっている部分もありバランスが凄く良いと思いました。

アレックス)日本語と英語の曲をやるというのがバンドをやる際に僕の中では大事で。日本の中だけって範囲を狭めたくなくて。今KPOPとか韓国語と英語が半々の曲とかいっぱい出てきてるし、リスナーもそんなに拒否反応を示さないと思うんですよ。日本語が入ってるから聴かないとか、英語だから聴かないとか。だからこそ、どっちも使って曲が出来たらいいなって思ってます。

-なるほど、ありがとうございます。山本さんの影響を受けた楽曲は?

山本)バンドでは2人が曲を作ってくれているので、僕はフィジカルをつけなきゃいけなくて。ファンクとかを練習しているんですけど、それだとこのバンドでは浮きすぎるんで。
アレックス)何言おうか迷ってるでしょ(笑)。
山本)いやいや(笑)。そのちょうどいい塩梅なのがLEROY HUTSONの「I Think I’m Falling in Love」。このバンドでその立ち位置を考えた際にこの曲が1番良いなって思いました。

-音楽との最初の出会いやきっかけはありますか?

日髙)最初の出会いでしょ。小さい頃の街の盆踊り(笑)。
アレックス)めちゃくちゃファンキーだったんじゃない?
日髙)もしかしたら盆踊りかもしれない(笑)。
アレックス)他に何か1個言ってみたら?
日髙)はっぴいえんどです。

-はっぴぃえんどはいつぐらいからお好きなんですか?

日髙)高校くらいです。

-アレックスさんはどうですか?

アレックス)高校の時は今とは違うハードロック系のバンドをやってました。あと、小学校くらいからずっと車の中でThe Lumineersを聴いていました。

-山本さんは?

山本)僕のターニングポイントになる曲は何個かあるんですけど、物心付いた時から親の影響でThe BeatlesとかQUEEN を聴いていたのが1番大きいです。

-確かに。The Bagpipesの楽曲ってそれら3面が揃ってる印象があります。

アレックス)ありがとうございます。盆踊りどこだ?(笑)。作らなきゃだね、盆踊りソング(笑)。

楽曲について

-音楽を通して伝えたいメッセージってありますか?

アレックス)ないです(笑)。
日髙)完全にない(笑)。
アレックス)僕等はメッセージみたいなものは大真面目にないです。曲ごとに風景とかイメージはあるけど、ただライブ来てみんなが楽しい思いをして、俺らも楽しい思いになれば良いなって思って曲を書いている気がします。

-例えば、年上の世代とか、どういう世代の人に聴いてもらいたいとかありますか?

アレックス)全て。下は3歳から上は104歳まで(笑)。

-1世紀を跨ぐ音楽ということですね(笑)。

学生音楽シーンについて

-学生音楽シーンにおいて音源を広める方法は何だと考えてますか?

アレックス)僕らは最初からどうしたら聴いてもらえるかを考えてたんですけど、やっぱCDって買ってもらえはするけど広まる手段ではないなって思ってます。今の時代はサブスクが1番重要だなと。でもサブスクを大学生バンドがやってますって言って聴く人って多分身内しかいないから、結局プレイリストに載せてもらうこととかが必要なってくる。ただ、事務所に入っていないとプレイリストは難解な壁です。学生シーンで広げる方法はほとんどない。学生バンドだからってだけで興味を持つ人もいないかなと。
日髙)友達がもっといればね(笑)。
アレックス)ダークだね(笑)。

活動について

-結成からこんなに早くフジロックという大舞台に立つことについてどのように思いますか?

アレックス)「受かってた…」って感じで実感はなかったです。
山本)受かってからフジまでは、ちゃんとやらなきゃって思ってました。でもいざフジになったら本当にそこだけポツンって抜けてる感じです。
アレックス)「フジロックに出てたんですよね」って色々な方が言ってくださるのでありがたいんですけど、実感はまだない。あっ、でも結構意識変わったと思わない?
山本)フジロック受かってから?
アレックス)うん。なんかちょっと余裕が出たというか。
山本)あ〜、今はない。フジロックまではあったけど。
アレックス)あ、ほんと。
山本)外のやりとりはアレックスがメインでやってくれてるので、フジロックに出てからも何かが変わったという実感はそんなになかったです。

-日髙さんはどうですか?

日髙)受かったバンドだから格好良いバンドであるのかもなという自覚がはっきり芽生えました。
アレックス)あんまり自信がなかったよね。
日髙)うん。どう見られてるか分からなかった。

-立ち位置をある程度把握出来たって感じですか?

アレックス)俺は、このままちゃんとやっていたら聴いてはくれるんだろうなっていうっていう意識になった。

-なるほど、ありがとうございます。

これからの展望

-これからの展望があればお聞きしたいです。

アレックス)僕らは特にビジョンもないしなんかボヤっとずっと格好良い曲をつくり続けてるみたいなスタンスがあって。でもやっぱりインディーズでしかもレーベル入らずにやるってなると絶対に考えなきゃいけないから、どうやったら僕達が事務所入らずとも周りの人に広められるかってことを結構考えています。

-具体的にはどういったものでしょうか?

アレックス)例えば映像が必要だとか写真が必要だとかそういうメディアになるものが凄く重要だなっていうのを最近凄く感じていて。じゃあ誰が撮ってくれるのかっていったら意外と身内っていなかったりするんですよ。でもそれこそ今回Dr.に坂本がサポートで入って僕達も驚いたんですけど、彼はもう鬼のコミュニケーションスキルを持っていていつの間にかスタッフや演者さんと仲良くなっているんです。やっぱりそういうスキルが必要だなって。

-大事ですよね。

アレックス)仲良くなった人が映像をやってくれるみたいな話があるかもしれないし。無意識に何も考えずにやってましたけど、そういう所が必要だなっていうのは最近感じています。

-3人の中で最もコミュニケーションをとる人は誰ですか?

アレックス)僕は喋るだけですね。この2人は喋らないんですよ。特に日髙は。「頑張って喋っていこうぜ」って思ってる最中ですが、まあ別に喋んなくてもいいんじゃないかっていう気持ちもありつつ、でも知り合いが出来ないよねみたいな感じの状況がふわふわ続いてます。 でも、例えば友達にDJをやってる人とかどこかの箱でライブをやってる人がいてその人が広めてくれたり、そのライブハウスの人がブッキングしてくれたりとかは割とあって。特に年齢層が高くなればなるほど僕らはそういうのが多い気がします。おじさんに声かけられてみたいなパターン。おじさんみたいな歌を歌っておじさんが気に入ってくれる。なのでやっぱ友達はいればいるほど良いんだなって思います。いくら格好良くても売れるには知り合いが必要ですかね。

-日高さんも同意見ですか?

日高)そうですね。事務所とか入って偉い人と話す時に喋ろうかなと思っていたんですけど。重い腰を上げて。
アレックス)思ってたんだ(笑)。
日高)まだ学生だから良いかなと。大人になったら話せるようになろう、頑張ろうと思ってたんですよ。逆だったかな(笑)。逆に今のほうが大事なんじゃないかな。反省しました。
山本)これから喋っていかないと。
日高)多分喋らないです(笑)。
アレックス)大人になったら逆に喋らないでしょ(笑)。
日高)まだ学生なので、責任感が芽生えてない。

-山本さんはどうですか?

山本)僕は喋りたい、友達を増やしたいですけど喋れない(笑)。
アレックス)友達いないバンドじゃん俺ら(笑)。まあでも結局はね、音楽ですから。そこには結構自信がありますから。
日高)潜在能力(笑)。
アレックス)良い曲しか書けない体になってるから。

-今後のリリース予定はありますか?

アレックス)10月頃にシングルを出す予定です。

-制作の裏話などありますか?

アレックス)お金が無くてEPを作るのが大変だったんです。全部スタジオの練習室を借りて、まずドラムを録って、5時間で5曲レコーディングしました。でも無事録り終えて、自宅に帰り、次の日ベースを1日5時間かけて。次の日ギター1日かけて、また次の日キーボードに1日かけて、ボーカルはその後1週間ぐらいかけてというのを自宅でレコーディングしました。ミックスも大変でした。

-ミックスはジェームズさんが?

アレックス)僕がやりましたね。でも10月は前作を上回りたくて。今絶賛頑張っています。EPからの音質の変化を期待してもらえたら嬉しいです。
日髙)そのレコーディングに関わるお金とか、支援してくれる方がいたらぜひ募集しておりますので(笑)。
アレックス)なんとか財団とかね(笑)。

-次も宅録の予定ですか?

アレックス)練習スタジオを借りるのと家で楽器やボーカル、ミックスマスタリングする感じですね。

-「Teardrop」が新しくレコーディングされたバージョンになったのはそういうことですよね。

アレックス)そうです。あれは進化してます。最初の「Teardrop」は本当に酷くて。もうラジオで流れるのが苦痛でした。よっしゃと思ったんですけどローファイとかじゃない次元の汚さで(笑)。それも10月に進化したものを見れます。

-自分で絶対ミックスやりたいって気持ちはあるんですか?

アレックス)好きですけど、お金があればプロにお願いしたいです。やっぱり全然違う。でもミックス自体は好きですね。多分ミックスエンジニアがやってないことも沢山やってる気がします。

-例えば?

アレックス)例えば、アコギを録って音のパン(定位)を左右に振る人とかあんまりいないと思いますし、あとはしっかりボーカルの伸ばしてる所だけにエフェクトやディレイをかけたりとか。エディットっぽいことをやってるので、エンジニアに任せたらそういうのが出来なくなるのかなと思ったりしてます。けど山本は絶対エンジニアにお願いすべきだと言ってますね。

-そこはバンド内で意見が分かれてるんですね。

山本)多分、ミックスの部分がプロと1番違うので。どんなに上手くいっても、自分たちでやりました感がどこかにあると思うんです。
アレックス)本当にプロって凄いです。

-ミックスも楽器もボーカルもどんどん進化していく感じですか?

アレックス)そうですね。進化させていきたいし、曲だけじゃなくてそこも聴いてもらえたら嬉しいです。

おすすめの学生アーティスト

-最後に、本企画がリレー形式という事でおすすめの学生アーティストはいらっしゃいますか?

アレックス)HALLEYです。

-理由はありますか?

山本さん)単純に超友達。
アレックス)あと、格好良いっていうのが外せない。
山本)あんなお洒落なバンドが近くにいるのがちょっと気に食わないですけどね(笑)。

-では、次回の『Beyond The Campus』はHALLEY様にインタビューさせて頂きたいと思います。ありがとうございました。

The Bagpipesプロフィール

ジェームズアレグザンダーはるき(Gt.Vo) 日髙海翔(Gt) 山本甫(Ba) 遠藤玄大(Key) 坂本翔太郎(Dr)
2022年結成。メンバーは全員現役大学生。 高校と大学の音楽サークルを通じて知り合い、現在は主に都内のライブハウスで活動している。
2022年10月、1stシングル「Teardrop」を発表し、2023年5月にMVを公開。同じく5月に1st EP「The Bagpipes」をリリース。
コアメンバーは、Vo/Gt.ジェームズアレグザンダーはるき Gt.日髙海翔 Ba.山本甫。 作詞作曲はジェームズと日髙が担当。レコーディングからミックス、ジャケットのアートワークに至るまで全て自主制作で行う。 ロックやファンクなど様々な音楽ジャンルを横断し、新しくもノスタルジックなサウンドが特徴。
The Bagpipesの音楽でリスナーを「バグらせる」べく、ひとつひとつのライブを大切に演奏している。

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インタビュアー・エディター :井戸海如、野口愛紗、杉井颯、藤本光太