『Beyond The Campus vol.5』‐VOLTAインタビュー‐
インタビュー
理想の音の組み合わせから成る曲作り
はじめに
『Beyond The Campus』とは、早稲田大学の公認サークルWaseda Music RecordsがBIG UP! zineとタッグを組み、学生アーティストにインタビューを行う企画です。本企画はリレー形式となっており、第4弾アーティスト9W3R7Yさんのご紹介を受けまして、第5弾のゲストとしてVOLTAさんにインタビューを行いました。
オリジナル曲を作った経緯
−まず、活動を始めた経緯やオリジナル曲を作った経緯について教えていただきたいです。
高校2年生位の時にコロナ禍で暇になってしまって、長く時間を潰せる趣味を探したらDTMっていう作曲に辿り着きました。オリジナル曲は、高校の軽音部に所属していた時に県大会みたいなものがあって、戦うにあたってオリジナル曲を作成しないといけなかったのでその時に初めて作りました。
ーその時から今と同じようなジャンルで楽曲制作されていたのですか?
その時は軽音部だったのでバンド系の歌を作っていました。
ー今のジャンルに移行するきっかけなどはありましたか?
PSYQUIさんというアーティストがいて、「Don’t you want me」というカットアップで電子音楽のような曲があって、その曲を聴いて衝撃を受けて、電子音楽作ろうと思って今のジャンルに移行しました。
初めて配信した楽曲のお話
ー初めて配信した楽曲のお話を伺いたいです。
初めての配信はサイバーミーティングという曲を出して、ジャンルとかに囚われず、リファレンスもゼロでやりました。
ー軽音から電子音楽って制作においての手法がかなり変わると思うのですが、電子音楽は独学でやられていたのですか?
そうですね。電子音楽を聴いて、こんな感じかなぁと。
ー初めてやるときに苦戦したことはありましたか?
世の中に出回っている例えばキックやスネアなどのサンプルが大体しょぼいのしかないので、それでどう良い曲作るのか考えることが結構大変でした。
音楽との最初の出会い
ー音楽との最初の出会いについてお聞きしたいです。
3歳の頃から中2までピアノをやっていて、それが今の音楽への道に繋がっていると思います。それと、今思えばやっぱり電子音楽の始まりは親が車で流していたPerfumeとかきゃりーぱみゅぱみゅとか中田ヤスタカとかの音楽です。
影響を受けた曲5選
ー1曲目についてお聞かせください。
SV1という方の「Caustics」という曲です。だいぶアンビエント寄りで、ほぼフックが無い優しい音楽なんですけど、自分のTwitterでたまにあげているアンビエント系の音楽はこのアーティストに影響を受けています。
ーこのようなアンダーグラウンドの曲はどのように辿り着いたのですか?
SoundCloudで自分のLikeを押した時にその曲に似た曲を探す機能があって、それでどんどん好きな曲を見つけたらアンダーグラウンドというかちょっと渋めな曲に辿り着きます。
ー2曲目についてお聞かせください。
Thundercatというアーティストの、「’A Fan’s Mail」という曲です。ジャンルはR&Bでいいのかな?だいぶ今の自分に逆行しているような音楽性で、逆にそれが新鮮です。初めて聴いた時に超昔の曲なのかなと思ったら最近の曲で、今こんな音楽やるんだと思って驚きました。
ー3曲目についてお聞かせください。
DAULっていう韓国のプロデューサーの、「In Touch Feat.Charli Taft」という曲です。ポップス寄りなんですよね。とにかく音がすごい良くて。K‐POPって音が凄く良いじゃないですか。DAULの音楽はK‐POPより更に音が良いんです韓国の底力というか。
ー4曲目についてお聞かせください。
ISOxoとFrostTopっていうアーティストの、「Angels Landing」という曲です。これこそもうアンダーグラウンド中のアンダーグラウンドです。ベーストラップを混ぜたニュートラップっていう新しいジャンルを開拓しているんですけど、SoundCloudで結構有名で、これも凄く音が良いです。新しい音楽が好きなので、新しいことやってる人見つけたら好きになっちゃいますね。
ージャンル幅広く聴いている感じなんですか?
そうですね。
ー自身の曲に取り入れたりしますか?
そうですね。新しい音楽を見つけたらそれと自分の得意なジャンルを組み合わせています。
ー例えばR&B系やポップス系に近い曲を取り入れる時、馴染ませるためにどういう作業をしていますか?
R&Bのあるあるな音を再現して、他の曲にも使えそうだなぁという音をパーツとしてもっていくということをしています。
ー5曲目についてお聞かせください。
lapixさんの「Day by day」っていう曲です。テックコアというジャンルの中の曲なんですけど、サビに入る前に一旦音が全部無くなるんですよ。それを聴いてる時にヤバすぎると思って声が出ちゃって。それでもう5選には絶対入れようと思いました。あと自分の曲にも一旦音全部止めるっていう手法をそのまま入れてたりしますね、この曲の影響で。
音楽を通して伝えたいメッセージ
ー音楽を通して伝えたいメッセージや音楽制作において大切にしていることやポイントについてお聞かせください。
基本的には、自分が他人の音楽を聴く時は辛い時とか元気がない時とか、例えば電車の中で嫌な気分の時に聴くことが多いので、そういう時に元気が出る、勇気を与えてくれるような音楽が作れたらいいなぁと思ってそういったメッセージは込めているつもりです。
ーこだわりなどはありますか?
曲によって自分の個性よりも曲の雰囲気に振り切っていますね。静かな曲だったら静かだし、めっちゃ激しい曲だったら激しいし。
ーどういう時にこういう曲を作ろうというイメージが浮かんだりしますか?
大体好きなアーティストの曲とか聴いて、これにこういうのを組み合わせたら面白いんじゃないかなみたいなのを考えて。考えても誰も世には出してくれないじゃないですか。だから自分で作っちゃおうって思って作る感じです。
ー音楽を通しての今後の展望はありますか?
今は同人音楽という界隈にいるんですけど、今後は同人音楽に関わらずにポップ音楽とかCM音楽とかそういったものをやっていきたいなと思います。
学生音楽シーンにおける音源を広める方法
ー学生音楽シーンにおける音源を広める方法についてお聞きしたいです。
ストリーミングでパッと出しても、認知されてないと聴いてくれる人がまずいないので、TwitterとかインスタでもなんでもいいからSNSを上手く使って。曲を出す前にある程度知られているところまでもっていって、そこからストリーミングで出すと、沢山の人が聴いてくれるような気がします。
ー感触的にはインスタとXだったらXの方が反響がありますか?
だいぶ音楽のジャンルによって変わると思います。HIPHOPとかだとXだとちょっと違うみたいな。電子音楽はオタクオタクしてるのでX
の方が賑やかなような。
ー曲によって力を入れるSNSは変えていますか?
そうですね。
ーSNSが学生にとって1番やりやすい広報の仕方だと思うのですが、事務所に入ったり大きいプレイリストに載せてもらったりするというのは難しい壁だとお聞きしています。例えばBIG UP!という配信の代行サービスのように、SNS以外で自分の曲を広めるという新しい方法は何か考えていますか?
ストリーミングで曲を出すというのは見つけてもらううえで重要なことだと思うので、近いうちにアルバムを出してみようかなと考えています。
おすすめの学生アーティスト
おすすめの学生アーティストを教えてください。
Healthcare and medicalさんです。
ギターの繊細な歪み方と、ドラムの芯が詰まったような音色がとてもマッチしていて、Rockの真髄を覗いたようなアーティストであると思います。オルタナティブロックの解像度の高さに痺れました。
-では、次回の『Beyond The Campus』はHealthcare and medicalさんにインタビューさせて頂きたいと思います。ありがとうございました。
VOLTAプロフィール
20歳。トラックメイカー。ハードからメロウまで様々な楽曲を制作している。主な提供先としてはMEGAREXやbeatmania IIDX、CrazyRaccoonCupのCM曲など。
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Waseda Music Records
イインタビュアー・エディター:野口愛紗、小髙愛梨