yobai suspectsが届ける甘く不器用な歌。5年間のバンドの軌跡を辿る1stアルバムに込めた想い
インタビュー
『BIG UP!』を利用している注目アーティストをピックアップして紹介するインタビュー企画。第128回目はyobai suspects(ヨバイ・サスペクツ)が登場。
ブラックミュージック、AOR、フォークロック、ポップスを土台とした3人組音楽集団、yobai suspects。目に留まるバンド名の由来は、想いを寄せる人に和歌を送る古代の貴族同士の風習“夜這い”だという。バンド名からも想像できるように、夜に似合う浮遊感のあるサウンドが心地よく、最大の魅力であるAkykの歌声は甘く、チャーミングだ。
そんな彼らが1stフルアルバム『YOBAI SUSPECTS』を2024年7月17日にリリースした。初のアルバムでありながら、バンドの5年間を辿ったベストアルバム的な内容となった本作。本人たちも「時を経て、歌詞に対して抱くイメージや感情が変わった曲もある」と語ってくれたが、バンドの初期のモードから現在地までを辿るにふさわしい、集大成的なアルバムに仕上がっている。
今回はメンバー全員に集まってもらい、yobai suspectsとしては初となるインタビューを実施。それぞれの音楽的なルーツから、アルバム収録曲の制作背景、10月に控えるリリースパーティに懸ける想いまで、たっぷりと語ってもらった。メンバー同士の仲の良さが伝わる掛け合いやエピソードは必見だ。
ボブ・マーリー、マイケル・ジャクソン、ジミヘンなど。バンドの音楽を形成する多彩なルーツ
- 音楽に興味を持ったきっかけ、ルーツとなったアーティストを教えてください。
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Akyk(Vo.&Composer):
家で親がいろんな音楽をかけていたのが大きいです。海外だと、Carole King(キャロル・キング)、Michael Jackson(マイケル・ジャクソン)、Neil Young(ニール・ヤング)。日本のインディーズ〜アンダーグラウンドだと、人間椅子、MARCHOSIAS VAMP、たま。J-POPだと、尾崎豊さん、DREAMS COME TRUEとか。ルーツを絞るのは難しいんですけど、Lauryn Hill(ローリン・ヒル)、Bob Marley(ボブ・マーリー)、マイケル・ジャクソンのような、歌の強いアーティストに結局は戻ってくる感じがします。大貫妙子さんも好き。幼少期にテレビから流れていた「メトロポリタン美術館」の声を改めて聴きたくなるというか。鎌倉までクリスマスコンサートを観に行ったこともあるし、CDをめちゃくちゃ集めていて。数日前にも、自宅で「横顔」を弾き語りしてましたね。
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R.S.Caves / Ryusuke Ito(Prod.&Gt. &Ba.):
父がEric Clapton(エリック・クラプトン)好きだったんですよ。なので、中学くらいの頃、クラプトンをきっかけに、ボブ・マーリーやマイケル・ジャクソンを聴き始めました。そこから洋楽を掘るようになって、グランジ、パンク、レゲエ、ソウルという流れだったかなと。同時期にエレキギターを買ってもらって、Rage Against the Machine(レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン)やGuns N’ Roses(ガンズ・アンド・ローゼズ)のリフをコピーしたり、文化祭ではミクスチャー系のバンドをやったり。地元である湘南のライブハウスの先輩に山嵐やSiMがいたのもあって、ゴリゴリにラウドな方面へ行ったときもありましたね。そこからだんだんと横ノリのSublime(サブライム)に惹かれていくみたいな。
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Satoshi Fukunaga(Gt.&Arranger):
中学の友だちに誘われて、自分も楽器をやってみたくなったんですよね。父が井上陽水さんの「少年時代」をよく弾き語っていたんですけど、「(自宅にあるクラシックギターで)『禁じられた遊び』が弾けるようになったら買ってあげるよ」と言われたので、どうにか頑張って通販のセットを手に入れました。
そこからはギターがカッコいい音楽を聴くようになって、Santana(サンタナ)とかJimi Hendrix(ジミ・ヘンドリックス)とか、<ウッドストック・フェスティバル>系アーティストのビデオを、友だちの家で観てたのを覚えてます。George Clinton & The P-Funk All Stars(ジョージ・クリントン&ザ・Pファンク・オールスターズ)のおむつを履いたメンバーが鳴らす、とんでもないギターソロに衝撃を受けたり。地元・京都のタワーレコードで村八分、どんと(ローザ・ルクセンブルグ/BO GUMBOS)さんを知ったりもして。Ryuちゃんと同じく、高校ではミクスチャーバンドもコピーしましたね。Robert Johnson(ロバート・ジョンソン)のTシャツを着たりしていました(笑)。
- 3人の出会いというのは?
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Akyk(Vo.&Composer):
福ちゃん(Fukunaga)とは、もう7〜8年の付き合いで。僕がThe Cavemansをやってた頃、ライブハウスで出会いました。
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Satoshi Fukunaga(Gt.&Arranger):
順番的には、そのあとにアキくん(Akyk)とRyuちゃんが知り合うんです。
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R.S.Caves / Ryusuke Ito(Prod.&Gt. &Ba.):
ある日、池尻大橋の飲み屋でDJをしてたら、ベロベロに酔っぱらったアキくんがやって来たんですよ。犬式(INUSHIKI)をかけてた僕に「俺も好きなんだよ〜!」みたいに絡んできて、「面倒くせえなあ」と思ったのが最初。
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Akyk(Vo.&Composer):
あはははは! それが6年前とかですね。
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R.S.Caves / Ryusuke Ito(Prod.&Gt. &Ba.):
しかも「俺は源義経が好きなんだ。なぜなら、あいつはひとりで戦ったから!」とか熱く語られて、正直「は?」でしたよね(笑)。でも、教えてもらったThe Cavemansの音源がカッコよかったので、仲良くなるのは早かったっていう。
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Akyk(Vo.&Composer):
一緒に曲を作るようになって、僕が住んでるマンションの別フロアに引っ越してきましたから(笑)。
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R.S.Caves / Ryusuke Ito(Prod.&Gt. &Ba.):
豆乳スープカレーみたいなのを持ってきてもらったこともあります。
- そして、2019年からyobai suspectsが始まると。
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Satoshi Fukunaga(Gt.&Arranger):
僕以外のふたりでやってたんですよ、結成当初は。
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R.S.Caves / Ryusuke Ito(Prod.&Gt. &Ba.):
アキくんから「ソロをやりたい」と聞いて、僕もちょうどトラックメイクを始めた時期だったので、「一緒にやってみようよ」となりました。
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Akyk(Vo.&Composer):
今もそうなんですけど、Ryusukeは制作がメインで、ライブにはあまり出ないから、僕がひとりでステージに立つ感じでしたね。
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R.S.Caves / Ryusuke Ito(Prod.&Gt. &Ba.):
もともとはソロっぽいスタンスだったんですけど、やりたいことも増えてきて、アキくんの知り合いだった福ちゃんに声をかけた形です。
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Akyk(Vo.&Composer):
3人のプロジェクトになって、表現力の幅が広がった気がします。ライブはバンドセットでもやったりと、臨機応変にできるのが楽しいですね。
バンド名の由来は貴族同士の“夜這い”の風習
- yobai suspectsという名前は誰が考えたんですか?
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Akyk(Vo.&Composer):
僕です。なぜだかわからないけど、“夜這い”っていう言葉が高校生くらいから引っかかっていて、ずーっと頭の片隅にあったんですよ。
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一同:
(笑)。
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Akyk(Vo.&Composer):
卑猥なイメージもありつつ、不思議な耳当たりもあって。この新しい活動を始めるときにふと思い出して、意味を調べてみたら、平安時代などにおける貴族同士の風習だったんです。想いを寄せている女性に対して、男性の側が「どれだけ君が好きなのか」ということを表す和歌を贈るんですけど、それってもうラブソングじゃないですか。
- 確かに。
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Akyk(Vo.&Composer):
日本が近代国家になっていく過程で廃止されちゃったみたいなんですけど、好きな人にラブソングをしたためて想いを伝えるのはすごくいい文化だなと思って、“呼び続ける”という意味もある“夜這い”に、皮肉っぽく“容疑者たち”という意味の“suspects”を付けてみました。自分の中では“ラブソングを歌う人たち”と捉えてます。
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R.S.Caves / Ryusuke Ito(Prod.&Gt. &Ba.):
ジャケット写真では、あえて邪なほうの夜這いを全面に出してるんですけどね。
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Satoshi Fukunaga(Gt.&Arranger):
コミカルなデザインにしてもらいました(笑)。
- ジャケットに書かれている“まっ黒な夜のまっ白なロンリーソウル”という言葉も目を惹きます。
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Akyk(Vo.&Composer):
僕らの曲を聴いた上で、知り合いのコピーライターさんが考えてくれたキャッチなんです。とてもしっくりきましたね。
- サウンドの方向性は早い段階から決まっていたんですか?
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R.S.Caves / Ryusuke Ito(Prod.&Gt. &Ba.):
Toro y Moi(トロ・イ・モア)みたいな、ビートとバンドの間っぽいものをやりたいとか、ゆるいサイケでいて尖った要素もあるサウンドが面白いんじゃないかとか。最初はアキくんとそう話してたよね?
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Akyk(Vo.&Composer):
うん。Portishead(ポーティスヘッド)のようなサンプリングの仕方やシンセの質感とか。そういう歌モノを意識してたかな。
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Satoshi Fukunaga(Gt.&Arranger):
結局、その感じにはあまりならなかったですけど(笑)。
- “夜這い”の名にふさわしく、ラブソングは多いですよね。
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Akyk(Vo.&Composer):
でも、そこは自然な流れなんです。yobai suspectsという名前にしたくせに、「ラブソングを書くぞ!」とは意識してなくて。
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R.S.Caves / Ryusuke Ito(Prod.&Gt. &Ba.):
本当にその点は話し合ってなくて。作詞・作曲をアキくんに任せてたら、できてくる曲が全部ラブソングだったっていう(笑)。
- 初のフルアルバム『YOBAI SUSPECTS』の手ごたえはいかがでしょう?
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R.S.Caves / Ryusuke Ito(Prod.&Gt. &Ba.):
シングルでリリースする方針のもと、連続性などを考えずにトラックメイクしてきた曲が揃ってるので、どうまとめるかはマスタリングエンジニアさんともだいぶ話しましたね。アルバム用に大幅なリマスターをかけた結果、どうにかうまくコンパイルできたかなという。
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Satoshi Fukunaga(Gt.&Arranger):
結成からの5年を辿るベスト的な内容でもあるもんね。
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R.S.Caves / Ryusuke Ito(Prod.&Gt. &Ba.):
そうそう。1stアルバムであり、ポートフォリオであり、ベストアルバム。
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Satoshi Fukunaga(Gt.&Arranger):
フィジカルで出せるのは嬉しいですね。この曲順だからこそ、また新鮮に聴こえたりもして。
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Akyk(Vo.&Composer):
これからyobai suspectsを知ってくれる人にとってはわかりやすいんじゃないかな。ひとつの集大成でセルフタイトルです。
- yobai suspectsらしさが、客観的に見えてきたりもしましたか?
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Akyk(Vo.&Composer):
はい。どことなく不器用さがあるのが僕らなのかも。
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R.S.Caves / Ryusuke Ito(Prod.&Gt. &Ba.):
わかる。少しいなたい、カッコつけきれない部分を持ってるというか。
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Akyk(Vo.&Composer):
角がない感じとは違うよね。歌モノって、基本的に不器用さが出る。あとは、ギターの弾き語りで成り立つ曲を、3人でどれだけ気持ちよく聴かせられるか。そこも大切にしてます。
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Satoshi Fukunaga(Gt.&Arranger):
トラック重視ではないですね、yobai suspectsの場合は。アキくんの歌をちゃんと立たせる。アレンジの段階で「なんでこのコードで行くんやろ?」みたいな、本当に不器用な曲も多いんですけど、その中で気持ちいいフレージングを探していく感じです。
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R.S.Caves / Ryusuke Ito(Prod.&Gt. &Ba.):
歌が素晴らしいのはわかってるので、殺しちゃダメだっていうプレッシャーが常にあります。ビートを組むときも、歌の流れに合わせてキックをこまめに変えたり。なるべく聴き心地はよくなるように。それでいて、自分らしさも出せるように。
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Akyk(Vo.&Composer):
たとえば「Time Warp」も、15年くらい前に僕が作った曲なんですよ。それをyobai suspectsの楽曲として、すごくいいアレンジにできました。これも不器用さが残ってたからこそ、新たに作り直せた気がしますね。
- 曲の主人公の性格も不器用っぽいですよね。
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R.S.Caves / Ryusuke Ito(Prod.&Gt. &Ba.):
確かに。クヨクヨしたり、メソメソしたりが多い。
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Akyk(Vo.&Composer):
僕がそういう人間なわけじゃなくて、作家として不器用さが出るように書いてるんですけどね(笑)。
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R.S.Caves / Ryusuke Ito(Prod.&Gt. &Ba.):
えー、そうなの?
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Satoshi Fukunaga(Gt.&Arranger):
いやいやいや……(笑)。
一見意味のない言葉やどうでもいいシーンを歌詞にしたい
- 制作の手順は、最初にAkykさんが弾き語りで曲のデモを持ってくる感じですか?
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Akyk(Vo.&Composer):
弾き語りのときもあれば、単純なループのビートとシンセを入れてメンバーに渡すときもありますね。
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Satoshi Fukunaga(Gt.&Arranger):
「TENTOUMUSHI」と「心待ち」は、シンセが入った状態でした。
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R.S.Caves / Ryusuke Ito(Prod.&Gt. &Ba.):
「メランコリーbaby」「Time Warp」「街角」「yozora ni touch」は弾き語りです。「PINHEEL」「MoshiMoshi」「Drippin’ feat. Yosuke Nakano(Emerald)」とか、僕のトラック先行だった曲もありますね。
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Akyk(Vo.&Composer):
「Lonely」はある日の朝、僕が福ちゃんの家に二日酔いで押しかけて、「こんな曲できてるんだけど!」みたいな勢いのまま作りました(笑)。
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Satoshi Fukunaga(Gt.&Arranger):
スピーディにできたね。「Lonely」は、僕がyobai suspectsに参加して初めて作った曲です。
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Akyk(Vo.&Composer):
曲の作り方はバラバラだよね。詞先・曲先もあるんですけど、行き詰まらないように、メロディとコードと歌詞をなるべく同時進行で作ってます。
- 役割分担がハッキリしてそうですね。Ryusukeさんはジャケットに“監督・脚本”とクレジットされていたりするので。
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R.S.Caves / Ryusuke Ito(Prod.&Gt. &Ba.):
なんとなく役割は決まってますね。作詞・作曲とボーカルがアキくん。ギターとコードアレンジ、たまにトラックを作ってくれるのが福ちゃん。僕は全体の方向付けやアレンジ、トラックメイク、ミックスという感じです。
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Akyk(Vo.&Composer):
Ryusukeさ、酔っぱらったときに言ってたもんね。「The Beatles(ザ・ビートルズ)でたとえるなら、俺はPaul McCartney(ポール・マッカートニー)なんだ!」って(笑)。
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R.S.Caves / Ryusuke Ito(Prod.&Gt. &Ba.):
うわっ、めちゃくちゃ恥ずかしいじゃん!
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Akyk(Vo.&Composer):
「みんなが好き勝手にやるのを、俺がまとめてる! 『Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band』を作った頃のポールなんだ」って力説してたよ。
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Satoshi Fukunaga(Gt.&Arranger):
あはははは!
- 歌詞の特徴などはどう感じてますか?
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Akyk(Vo.&Composer):
きれいに着地できないというか、起承転結をつけられないんですよね。「結局どうしたいんだ?」ってところで終わったりもして、意味がわからないといえばわからない歌詞でもあるんですけど、意味なんてなくてもいいのかなとも思っていて。
- はい。
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Akyk(Vo.&Composer):
悩んでいた時期もあったけど、谷川俊太郎さんのラジオで「音楽はズルい。意味がない言葉でも意味を持つから」という解釈を聞いて、すごく前向きになれたんですよ。自分の曲もそうで、もし映画のことを曲にするとしても、物語のすべてを押さえた内容にはしない。むしろ、主人公が朝起きて仕事に行くまでのオープニングとか、悪役が犬に餌をあげてるところとか、どうでもいいシーンを歌いたいタイプだから。
- その書き方も素敵だと思います。
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Akyk(Vo.&Composer):
意味がなくても、意味は出てくるはずなんです。抽象性もあるけど、「どう思っているか」は歌うようにしてるから。落ち込んでるときと元気なときでは、同じ景色でも見え方が全然違うとか、そういう視点も僕の歌詞にはたくさん入ってますね。
- アルバムの中で特に思い入れの深い曲を挙げるとすると?
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Akyk(Vo.&Composer):
yobai suspectsの代名詞になりそうな意味でも「NEVERLAND feat. WONK」ですかね。結成してこれからガンガンいこうってタイミングでコロナ禍になっちゃったんですけど、その苦しい時期にできて、前向きな気持ちになれたんです。自分が歌ったことがない感じのネオソウルっぽさも新鮮で、「こんな曲が作れるんだな」という喜びがありました。
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Satoshi Fukunaga(Gt.&Arranger):
「TENTOUMUSHI」です。メロウな曲調が好みなのもあるし、ライブではアレンジとコードを変えてるんですよ。たまたま閃いた別バージョンもカッコよくて、ふたつの見せ方ができる点が気に入ってます。
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R.S.Caves / Ryusuke Ito(Prod.&Gt. &Ba.):
僕は「耳の中で」。yobai suspectsで一番好きな曲なんです。さっきの話に繋がるんですけど、アキくんの歌を活かしつつ、自分がやりたいテイストを妥協せず盛り込めたんじゃないかなと。トリップホップやサイケっぽい感じとか、リバーブの深い音処理とか。
- アルバム収録曲でコラボされたEmeraldの中野陽介さんとWONKとの関係性も伺いたいです。
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Akyk(Vo.&Composer):
コロナ禍の初期に、WONKさんが楽曲のパラデータをフリーダウンロードで公開する『Small Things Project』という試みがあったんです。「NEVERLAND」はその企画とのコラボ曲で、3拍子だったのを4拍子に変えたりとか、いろいろとアレンジさせていただきながらトラックの原案として使いました。メンバーのみなさんにお会いしたことはないんですよ。
- 中野さんは?
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Akyk(Vo.&Composer):
2020年の夏かな。池尻大橋にあるGood People & Good Coffeeっていうコーヒースタンドに行ったら中野くんがいて、知り合いでもなかった僕に「Akykくんだよね? 『NEVERLAND』聴いてます!」と声をかけてくれたんです。そんなきっかけから仲良くなって、一緒に作ったのが「Drippin’」。コーヒー屋さんで出会ったので、コーヒーにまつわる曲にしました。
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R.S.Caves / Ryusuke Ito(Prod.&Gt. &Ba.):
中野くんはyobai suspectsをずっと応援してくれていて、「NEVERLAND」もよくカバーしてくれてたり。感謝しかないです。
- アルバムの最後には、新曲「yozora ni touch」も弾き語りで収録されています。
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Akyk(Vo.&Composer):
ボーナストラックになるような曲が欲しかったんですよね。
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R.S.Caves / Ryusuke Ito(Prod.&Gt. &Ba.):
この5年でそれなりに制作を重ねてきたけど、弾き語りのテイクが素晴らしい曲も多いんです。その感触が特に強かったのが「yozora ni touch」で、トラックアレンジでは超えられないほど輝いてたから、いいタイミングで新曲として収録できてよかったなと思います。
- 《あした いいことがあるさ/みんなに あるさ》という歌詞が、他者に向いている感じの、より開かれたメッセージに聴こえて心地よいです。
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Akyk(Vo.&Composer):
以前はもっと閉塞的なイメージもあったんですけど、最近やっとそう思えるようになったかな(笑)。これもけっこう古い曲で、時間が経ってから作り直すと変わるものですね。
バンド史上最大のワンマンに向けてたくさんライブがしたい
- 10月25日(金)には、渋谷WWWでアルバムリリース記念ワンマンライブの開催が決まっています。ひとつの挑戦でもありますか?
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Akyk(Vo.&Composer):
そうですね。結成から5年でyobai suspectsをサポートしてくれる人も、気にかけてくれる人も増えたんですけど、それは決して当たり前にある状況ではないじゃないですか。なので、ありがたみを実感しつつ、今のうちにデカいことをやりたいなと思ってます。
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Satoshi Fukunaga(Gt.&Arranger):
自主企画としては、僕ら史上最大キャパでのワンマンです。これまで支えてくれた方々への恩返しというか、何か返せるものがあるといいなって。WWWに照準を合わせて以降、ライブもどんどん良くなってきてるので楽しみですね。
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R.S.Caves / Ryusuke Ito(Prod.&Gt. &Ba.):
お遊戯発表会みたいなアットホーム感も大切にしたい。「yobai suspectsのやってきたことがこんなふうになったよ」と、お世話になっている人たちに一番いい演奏を見せたいです。
- 当日はスペシャルなバンドセットとのことで。
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Akyk(Vo.&Composer):
仕込み中です(笑)。
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Satoshi Fukunaga(Gt.&Arranger):
Ryuちゃんも出るでしょ?
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R.S.Caves / Ryusuke Ito(Prod.&Gt. &Ba.):
出るんじゃないでしょうか。
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Akyk(Vo.&Composer):
出ます! 出させます!!
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R.S.Caves / Ryusuke Ito(Prod.&Gt. &Ba.):
サポートしてくれるドラマー、ベーシスト、キーボーディストも上手い方ばかりなので、自分は何しようかな(笑)。
- AkykさんのSNSを拝見したら、ワンマンに向けてストリートライブも積極的にやられているみたいですね。
今年10/25の渋谷wwwワンマンまで
残すところ90日を切った!!
もっといろんな人に出会って
ワンマンに来て欲しいから
今日から90本 LIVEする!!
そして、ソールドアウトを目指す!
早速、今夜は新宿南口でストリート LIVE
やります!https://t.co/1l2ydf7i78— Akyk (@aki__yuki) June 26, 2024
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Akyk(Vo.&Composer):
頑張ってます。ストリートライブはいろんな人が声をかけてくれて面白いんですよ。渋谷のスクランブル交差点のTSUTAYA前でやってたら、外国人たちが横一列に並んで、携帯のライトを付けて振り始めたり。終いには「ヒャー!」とか叫び出すし。深夜12時くらいですよ? 激しい曲じゃなく、スローな「街角」を歌ってたのに(笑)。中には、WWW公演のチケットをその場で買ってくださる方もいて。
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Satoshi Fukunaga(Gt.&Arranger):
路上でまあまあな値段がするチケットを買ってくれるって、めっちゃすごいことやな。
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R.S.Caves / Ryusuke Ito(Prod.&Gt. &Ba.):
yobai suspectsを知ってもらうのも、今後の目標のひとつですね。このアルバムで僕らの音楽を初めて聴いた人も、ぜひレコ発に遊びに来てくれたら嬉しいです。
Presented by.DIGLE MAGAZINE
【RELEASE INFORMATION】
yobai suspects 1stアルバム『YOBAI SUSPECTS』
2024年7月17日リリース
Track List:
1. メランコリーbaby
2. Time Warp
3. TENTOUMUSHI
4. PINHEEL
5. 告げたる人
6. Lonely
7. 心待ち
8. 街角
9. 耳の中で
10. MoshiMoshi
11. Drippin’ feat. Yosuke Nakano(Emerald)
12. NEVERLAND feat. WONK
13. yozora ni touch
▼各種ストリーミングURL
big-up.style/artists/162863
外部リンク
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【EVENT INFORMATION】
1st Album『YOBAI SUSPECTS』 release oneman live
2024年10月25日(金)at 東京・渋谷WWW
OPEN 18:00 / START 19:00
TICKET:adv ¥4,500(+1D)/ door ¥5,000 (+1D)
yobai suspects live at BLUE NOTE PLACE
2024年9月6日(金)at 東京・恵比寿BLUE NOTE PLACE
Open:18:00 (+1D)
Close:23:00 (food L.O 21:00 / drink L.O 22:30)
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LIVE:
19:00〜 (前半)
-休憩-
20:15〜 (後半)
*前半後半それぞれ30分程、合わせて60分程の公演となります。入替なし、showによって内容は異なります
Music Selector:18:00〜22:00
*休憩含むライブ以外の時間帯は、ミュージックセレクターによる音楽をお楽しみいただけます
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▼official site
https://www.bluenoteplace.jp