3icrowave【BIG UP! selection Questions】

インタビュー

『BIG UP!』を利用している注目アーティストをピックアップして紹介するメールインタビュー企画 今回はナードさとギークさの絶妙なバランスを併せ持つフィメルビートメイカー、3icrowave(マイクロウェーブ)が登場

12/23に最新アルバム 「Plactice&Deal」をリリースした3icorwave、都内の主要クラブでは特に今年多く名前を見かけたDJ・ビートメイカーである。そんな彼女が10月にリリースをした「Suicide Camouflage」について中心にインタビューに語ってくれた。インタビューからも垣間見れるように、3icorwaveとして、彼女の人間性がダンスミュージックというフィルターを通して個人的にはとても心地よく響いたアルバムでもある。日常に彼女の低音はとてもが心地がいい。聴いてみて頂きたい。

音楽活動を始めたきっかけは?

元々7,8年前からDJとして活動していたのですが、実はその昔に歌を歌っていた時期があって、曲を作る過程は好きなんですけどライブするのがそんなに好きじゃなかったのですぐに挫折したんです。
それから数年経ってコロナ禍を期に、もう1回音楽作りたいなと思って。

アルバム「Suicide Camouflage」にはどういった想いを込めましたか

私は、今までずっとDJとして現場に立ち続けて来たんですけど、ブッキング受けたらフライヤーに名前が載らなかったり、出番以外の時間は外でビラ配りずっとさせられたり、メンタルやられる扱いを受けることが多くて…次第に自分のやりたいことよりも業界での立ち位置やヒエラルキーを気にするようになってしまって、タイムテーブルで良い時間を貰うために静かな音楽ではなくうるさめのを音楽ばかりをかけるDJという立ち位置を打算的に掴みに行ったり、攻撃的なスタンスでナメられないようにしたり、試行錯誤しながらDJである自分を守ってきました。
でもそういう扱いをしてくるイベンターへの怒りよりも自分の立ち位置や価値の無さに常々不甲斐なさを感じてて、本当は全然攻撃力もないし凄くナイーブな人間なんです。そんな時に作曲という1つの武器を手に入れたのがキッカケで、もっと自分の個性を伸ばして勝負しようと思い日々がむしゃらに曲を作ってきました。
キャリアだけ長いのに実績面は伸び悩んだり、今でも楽しいことよりも苦しいことの方が多いけど、家にこもって作曲してる時間だけは誰とも比べたり戦わなくていいので精神安定を保つための時間になっていきました。
そんな中で作った曲をまとめた日々の記録みたいなアルバムが“Suicide Camoufulage”です。

アルバム内楽曲「squall」について、どのように制作は進んでいきましたか?

こういう裏打ちのバイレファンキみたいなダンスチューンが流行ってる昨今のシーンを見て、アウトプットしてみました。
誰かDJがかけてくれたら嬉しいなと密かに思ってます。この曲に限らずですがDJ時使いやすいようにイントロの長さに余裕を持たせてます。

最近聴いている音楽や行ったイベントがあれば教えてください。また、ハマっていることを教えてください。

最近はDeep houseやDub technoをよく聴いてます。無機質で冷たいサウンドは無になれるのに前進的で大好きです。
先日Overmonoの来日公演に行ったんですけど、彼らの生演奏は透明感と愛に溢れてて最高でした。

あと昔からMemphis rapが好きです。サンプリング文化はBoombapに似たところがあるんですけど、ネタをScrewするんですよ、引き伸ばしてスローにしてボーカルのピッチ下げちゃうのが面白くて。ヨレヨレなのにどこか優しい耳心地の音楽です。そこにこもった質感のドラム重ねる技法のビートが多いです。

  • ハマっていることは、友だちと長電話することです。
    一緒に曲作ってるラッパーのme2ちゃんって子と仲良くて、8時間とか余裕で話します(笑)
  • 制作やインスピレーションを得る上で、お気に入りの場所はありますか?

    淀んだ空の見えるビルの屋上とか好きです。
    あと場所ではないんですけど曇りの日とか夜明け前が調子良い。暑い日はインスピレーション湧かないくて、涼しい日や寒い日しかエモーショナルな気持ちになれないです。何でだろ。

    あなたにとってのダンスミュージックとは?

    ダンスミュージック…難しいですね(笑)
    無になれる音楽とか、没入(?)
    でもダンスミュージックよりも歌詞の乗った人間味のある曲の方が本当は好きです。

    尊敬しているアーティストは?

    mndsgn、Raz Frezco、Holy Mobっていうクルー、あと韓国のXXXっていう2人組グループのFRNKっていうプロデューサー、他にもいっぱいいるけど特に好きなのはここらへんですね。日本だとdhrmaさん。

    今回の新曲、どんなシチュエーションで聴いて頂きたいですか??

    どんなシチュエーションでも!
    クラブで皆と踊りたい時にも、1人で聴きたい時にも、色んな場面で使えそうなのを詰め込んでます。

    今後のリリースやライブなど予定を分かる範囲で教えてください。

    今後はもっとラッパーやシンガーに提供する形でリリースしたいです。

    1/9(木)恵比寿BATICAで主催イベントがあります。

  • 普段交流のあるDJ/アーティストをたくさんお呼びしてます。平日深夜ですが週末のイベントに負けないくらいに豪華な内容になってますので是非遊びに来てください!
    DJ、ビートライブでのブッキングもまだまだお待ちしてます。


    【RELEASE INFORMATION】

    3icrowave「Suicide Camouflage」配信中!

    ▼各種ストリーミングURL

    https://big-up.style/LqgODuBnnZ

    外部リンク
    > X(Twitter) > Instagram     >3icrowave house DJ set 

  • 東京を拠点とするDJ/Beatmakerオルタナティブながらもモードな質感の音楽をストリートカルチャーに落とし込むのが特徴的。自身の作品リリースと並行しラッパー/シンガーへの楽曲提供も行う。
    又、楽曲のジャケットやフライヤーデザインも手掛ける等そのクリエイティビティは多岐に渡る。毎週様々なパーティーやバーラウンジ等でのセレクターDJをこなす傍ら、サンプラーなどの実機を使いビートメイカーがメインのイベントにも数多くライブ出演している。
    2022年には日本のみならずソウルのクラブにも出演するなど活動の幅は広い。
    2023年には、ZERO Tokyoで開催されたAmineの来日公演にサポートアクトとして出演した。

 

2024年にはUSのコレクティブクルーPUBLICHOUSINGNYCのサポートアクトとして共に東京ツアーを回る。
あまり日本に類を見ないフィメルビートメイカーとして国内のシーンで注目度を上げている。
焦燥感を残しつつも前進的な音楽を生み出す、ナードさとギークさの絶妙なバランスを併せ持つ唯一のアーティストだ。