初恋モーテルが思い出させる、日常に潜むときめき

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ！ 今回は初恋モーテルをご紹介します。

なんでもない日にときめいて

ぽつぽつと呼吸する雨音やリンリン歌う鈴虫の声など、日常に馴染む音楽というのは繊細で優しい。そこにあるのが当たり前で、誰のことも排除しないし、誰にも干渉しない。初恋モーテルがまとっているのは、そんな空気感だ。

ワカメ（Vo./Gt.）の声は特徴的で、一度聴いただけで耳に残る。優しいのにエッジで、ボーイッシュなのに女性らしい。ハッキリとラベリングできる声質じゃないからこそ、いろいろな解釈をひとつの曲に与えている。
歌のメロディーも、とてもキャッチーだ。カフェでのおしゃべりのように詰め込まれたリリックは、情報量が多いのに言葉の一つひとつがしっかりと飛んでくる。彼女がバンドで歌うことが映えるように構成された楽曲だからこそ、ワカメというボーカリストの旨味をしっかりと感じることができるのだろう。

先日配信が開始した「サーズデイ」は、雨の情景にいる君を思った1曲。伝えたいことの対比として「君のプリンを食べてしまったこと」と「君を大好きなこと」を用いているのが、日常に見え隠れする感情を拾っていて甘酸っぱい。
ありきたりな日常を少しだけ愛せるようにしてくれるのは、初恋モーテルのような音楽ではないだろうか。

●こんなアーティストが好きな人におすすめ●

・スピッツ
・ピロカルピン
・Saucy Dog
・レイラ