体温のように香る、Akusaのフロウ
PICK UPアーティスト
BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はAkusaをご紹介します。
日常に潜むエモさに目を向けて
エモい音楽というと、感情的な歌詞であったり抑揚で惹きつける演奏を想像しがちだ。しかし感情というのは、いつだって荒波だっているわけではない。36.6℃くらいの平熱のなかで、繊細に揺れ動き移りゆく。Akusaが内包しているのは、そういった類のエモさだ。
彼のフロウには叩きつけるような過激さや、抒情的なメロディーラインはない。淡々と思いを吐露するかのように、言葉を紡ぎ情景を描いていく。Akusaが表現するのは、常温で表現されたありきたりなドラマ、誰の物語にでもなりうるリアリティーだ。それは「こんな感じでしょ」と作られた張りぼてのエモさより、何倍も生々しく心に迫る。
先日配信が開始された『ROOM』も、胸がギュっとなる瞬間を濃縮した1枚だ。小さな感情の揺らぎに目を向け、光をあてて曲に落としこむ。ドラマチックになりきれない毎日を彩ってくれるのは、こんな作品なのかもしれない。
●こんなアーティストが好きな人におすすめ●
・TOKYO HEALTH CLUB
・macomarets
・okkaaa
・Mcpero