人間くささが愛おしい、Saboten Neon Houseのニューサウンド

PICK UPアーティスト

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はSaboten Neon Houseをご紹介します。

日常を丁寧に掬って

イヤホンから流れてくる音に耳を傾け、思わずアーティスト名を確認してしまった。ド直球のフォークサウンドが作りあげるゆったりとした空気感は、時代錯誤として素晴らしすぎる。今の時代には欠けている温かさや柔らかさが、Saboten Neon Houseの音楽に詰まっている。

Saboten Neon Houseは、2018年に結成された4人組バンドだ。1970年代のフォークやルーツミュージックをベースに、現代にも響くニューサウンドを追求している。
彼らの作品が持っているのは、“インスタ映え”とは全く逆の概念にある美しさだ。雨の雫が綺麗とか、干した布団から太陽の匂いがするとか。大切な人にそっと報告するような慎ましやかな日常の煌めき。現代を生きる私たちが忘れそうになっているものを、しっかりと胸に抱えていることこそ彼らの強さなのではないだろうか。

先日リリースされた『Puan』も、そんな彼らの美的感覚が存分に詰めこまれている。なんでもない風景を丁寧に切り取った松井の歌詞は、人間くさく愛おしい。タバコをふかしながら、日本酒を飲みながら、ゆったりと身を沈めたい1枚だ。

●こんなアーティストが好きな人におすすめ●

・ベランダ
・路地
・YOTOWN
・ベルマインツ