言葉に宿る、ユキドケハイツの美学

PICK UPアーティスト

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はユキドケハイツをご紹介します。

言葉だけでも響くものを

“神は細部に宿る”という言葉を残したのは、ドイツの建築家だったという。どんな大きなものを作ろうとも、いつだって本質は些細なところに宿るのだ。音楽も、また然り。言葉ひとつ音ひとつにこそ、表現したいことが詰まっている。ユキドケハイツを聴きながら、そんなことを考えていた。

ユキドケハイツは、2016年に京都で結成されたバンドだ。ところどころで休憩を挟みながら、春を待つ日々のようにゆっくりと進み続けている。
波のようにユラユラと揺れるサウンドが魅力的な彼らだが、美的感覚が色濃く宿るのは何と言っても歌詞だ。ボーカルを務める井上は歌詞や小説をつまみに酒が飲めるくらい言葉への執着が強いのだが、そのこだわりが彼らのリリックには強く反映されている。詩として読んだ時に、思わずハッとしてしまうようは一文。それを追求する姿勢こそが、ユキドケハイツの強みではないだろうか。

先日配信開始された『栞』は、浮遊感とノイズが心地よい1枚。全体的にメロディーラインがキャッチーなので、普段はポップスしか聴かない人でも耳なじみがよいのではないだろうか。春を待つ日々に添えたい作品だ。

●こんなアーティストが好きな人におすすめ●

・mol-74
・YOOKs
・クレナズム
・tip top nap