生き様から切り落とされた、カンザキイオリの表現
PICK UPアーティスト
BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はカンザキイオリをご紹介します。
生々しいからこその強さ
「音楽に助けられた」そう思った経験は、誰しもあるのではないだろうか。多くの場合は、音楽を“聴いて”助けられただろう。しかし、“音楽を作ること”が救いになるケースもあると思うのだ。そんなことを、カンザキイオリの作品に触れながら考えていた。
彼の曲の根源にあるのは、負のオーラだ。カンザキは苦しかったことや辛かったことを少しずつ身から離し、表現へ転嫁させていく。それはきっと彼が彼自身を癒す術のひとつだ。作品として切り離すことで客観視し、自分のなかの執着地点を見つけ出す。そうして、折り合いをつけているのではないだろうか。
また、彼の作品は耳にすると生々しい感情をリスナーの心に残していく。空想ではなく実体験だからこそ生まれる重みが、カンザキの音楽には存在しているのだ。
先日配信開始された『白紙』は、2019年4月にリリースされた作品。モンスターヒットを記録した「命に嫌われている」を含む、カンザキイオリの第一章といえる1枚だ。彼の生きている証に思いを馳せながら、聴いてみてほしい。
●こんなアーティストが好きな人におすすめ●
・amazarashi
・花譜
・ずっと真夜中でいいのに
・ヨルシカ