作品ににじむ、RYOEMの覚悟

PICK UPアーティスト

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はRYOEMをご紹介します。

ノイズを消して本質で立ち向かう

ボカロ文化の発展やVtuberの誕生によって、音楽性を純粋に評価される流れが加速したように思う。どんな経歴やバックグラウンドを持っているかを不必要に持ち出されない、作品の魅力を過不足なく品定めされる時代。RYOEMもまた、自身の音楽で真っ向勝負しようと腹をくくったアーティストのひとりだ。

そもそも彼は、話題にすべきトピックが豊富だ。新人アーティストオーディションでグランプリをとったこともあれば、テーマパークでショーシンガーをしていたこともあるし、歌のみならずヒューマンビートボックスや詩吟までこなす。それにも関わらず彼が経歴をあまり強く打ち出さないのは、ステータスはただの事実にすぎないとわかっているし、何より自身の音楽に自信があるからなのだろう。
「プロの歌手になるために専門学校へ入った」と豪語するくらいRYOEMの音楽は本格的だ。ビートもハーモニーも華麗に使いこなし、自分の声の良さが引き立つ楽曲を作り上げていく。時に優しく、時にアグレッシブに。時代に迎合しすぎない「自分が本当にいいと思えるもの」を世に放ち続けているのである。

先日配信が開始された「なにもない」は、彼が自分の人生をかけるつもりで作った1曲。チルアウトな空気と切ない歌声が脳裏に焼きついて離れないナンバーだ。虚無感に襲われる夜に、ぜひ隣にいてほしい作品である。

●こんなアーティストが好きな人におすすめ●

・TENDRE
・Ghost like girlfriend
・okkaaa