不器用で粗削りな、シャールのフロウ
PICK UPアーティスト
BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はシャールをご紹介します。
酸いも甘いも全部詰めこんで
時にはバンドのフロントマン、時にはアコギで弾き語りするシンガーソングライター。その実態は、心の傷を蒸し返すラッパー、シャールだ。
レイトとハシノキュウとの出会いをきっかけに、ラップを始めた彼。クセの強いフロウは、英語リリックに聴こえる日本語を追求していたときの名残だろう。常識にとらわれない柔らかい頭で、自身のラップを追い求めている。
シャールは、決して曲作りのスピードが早いわけではない。しかし、それは1曲1曲に人生を削り落としているからこそ。不器用で粗削りな彼の、精一杯の誠心誠意なのである。
先日配信が開始された『空想猟奇譚』は、5年の月日を費やした1stフルアルバムだ。ラップも弾き語りも、酸いも甘いも全部詰め。雑多で熱のこもった作品に、彼の人柄がよく表れた1枚だ。