隙間に入りこむ、ar syuraの歌声

PICK UPアーティスト

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はar syuraをご紹介します。

優しい暗闇を

感情を表す“喜怒哀楽”という言葉があるが、生きていると4つに分類できない気持ちに何度も出会う。嬉しいのに悲しかったり、楽しいのに悔しかったり。人間の感情は線を引いてきっちりわけることなどできない。ar syuraの音楽は、そういった複雑な隙間にスルスルと入りこんでくる。

夜の帳が下りたようにダークな世界観なのだが、決して冷酷でも辛辣でもない。様々な色が混ざり合った末に生まれた柔らかな黒が一番近しいのではないだろうか。
そんな暗闇のなかにロウソクの炎のごとくカワノアキの歌声が揺蕩うのだ。心もとなさを感じるほど繊細なのに存在感があり耳に張りつくボーカルは、幻想的な空気を色濃くしている。

先日配信が開始された「moon」は、切なる想いが淡々と紡がれる1曲。メランコリックなサウンドと一気に迫りくるサビが印象的なナンバーに仕上がった。