茅原佑介が鳴らす、感性を煮詰めた表現

PICK UPアーティスト

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回は茅原佑介をご紹介します。

吸収してきたものを昇華して

社会人になるから、結婚するから、引っ越しをするから。何かと理由をつけて、握っているものを手放すのは意外と簡単だ。だからこそ、いろんな変化があっても自分と切り離せないものは本当に好きなことなのかもしれない。茅原佑介の活動を追いながら、そんなことを考えていた。

作詞作曲やミックス、ボーカルを自分で行いつつ、動画の撮影・編集などもこなしてしまう彼。高校生の頃は、ロックバンドのメンバーとして栃木を中心に活動。名古屋に拠点を移してからは、ein fianceとしてドリームポップを世に発信していた。
そんな茅原は、社会人になった今も音楽を鳴らし続けている。浮遊感のあるサウンドに、どこか後ろ髪惹かれるリリックは、彼がいままで吸収してきたものの集大成のよう。自身のなかで感性を煮詰め、表現として昇華するアーティストこそ茅原佑介なのである。

先日配信が開始された「Y」は、選択と諦念がテーマのダークポップ。ドライブやY字路などの情景には、人生になぞらえた暗喩的な意味がこめられている。自分の思考と向き合いたいとき、ゆったり聴きたいナンバーだ。