Absolute areaが綴る、自分に寄り添う歌
PICK UPアーティスト
BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はAbsolute areaをご紹介します。
寄り添うわずとも支えに
「“音楽の力”は、一番嫌いな言葉。音楽を作る側が、受け手に影響を与えたいと思うのはおこがましい」そう語るのは、坂本龍一だ。過剰に“寄り添おう”とする音楽もあるなか、そうでない音楽が心地よく感じるのは、この“おこがましさ”がないからかもしれない。Absolute areaもまた、寄り添わずとも支えになってくれるアーティストだ。
2014年、高校の同級生で結成。“誰にも踏み込めない領域に唯一触れることができる音楽”をコンセプトに活動している3ピースロックバンドだ。
優しさと鋭さを兼ね備えた山口(Vo.)の歌声が素晴らしいことはもちろんだが、特筆すべきは自戒するように綴られた歌詞だろう。弱さも迷いも全て吐き出しながら、生々しく言葉を連ねていく。安直に誰かのためを思うのではなく、自分の相談相手になるように書かれた歌詞だからこそ押し付けがましくなく、リスナーの心を射抜くのだ。
先日配信が開始された「記憶の海を泳ぐ貴方は」は、3か月連続リリースの第2弾シングル。男女の過去と未来がテーマとなっているミディアムバラードは、繊細な描写と歌声がエモーショナルを加速させる。記憶のなかの大切な人を想いながら、耳にしたい1曲だ。