水、走るが放つ、強力なエネルギー

PICK UPアーティスト

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回は水、走るをご紹介します。

ピュアなマインドを震わせて

2010年の夏に結成された、水、走る。“その音楽は まるで流れる水の様”なんて言葉に油断して近づくと、うっかり水流に飲みこまれそうになる。水、走るの音楽は“流れる水”なんて生易しいものじゃない。川上の激流、はたまた嵐に揺れる海のようなのだ。

ボーカルの山田好転が竹原ピストルから多大な影響を受けていることもあり、楽曲にこめられているエネルギーがすさまじい。1曲1曲に想いを乗せ全力で向かいあっているとでもいいたげな、強力な圧を放っている。
そこには「音楽が他人に響いて帰ってくるのが嬉しくて歌い続けてきた」という山田のピュアなマインドも根付いているのだろう。文学的なアプローチになることの多いリリックが、額縁に飾られた絵のように遠くの存在にならないのは、このマインドゆえだと思うのである。

先日配信が開始された「海の底」は、2015年に一定条件を満たしたリスナーにのみシリアルナンバー付きで配布された非売品作品をリリースしたもの。海を揺蕩うようなメロウなサウンド、憂いを感じるリリックが抒情的な1曲だ。