あたたかさと冷たさの間で揺れる夜に、YU-KA, Show Chick Boyを

PICK UPアーティスト

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はYU-KA, Show Chick Boyをご紹介します。

シンガーとしての新たな一歩

たとえば、音楽家や画家や小説家、その他さまざまな「アーティスト」と呼ばれる人々、すなわち「表現すること」を選び取った人々にはどこか通じ合う部分があると思う。また、それぞれは少なからず互いに影響を与え合っているものだと思う。
YU-KA, Show Chick Boy『キシリトールガム』を聞いて、私はそれを再認識した。

YU-KAは2012年から2021年3月までダンス&ボーカルグループ「TEMPURA KIDZ」に所属し、リーダーも務めたパフォーマーである。
独立後初のシングルであり、YU-KA個人として初めての作品がこの『キシリトールガム』だ。
作詞・作曲はシンガーソングライターのShow Chick Boy。
歌詞の中には心や体の動きにまつわる描写が多く、「私」が見ている世界を丁寧に描き出している。
それが説明的になることなく、まるで友達の恋愛相談にのっているような気持ちで没入できるのはYU-KAの表現力豊かな歌声に拠るところだろう。
また、寂しさの象徴として登場する“キシリトールガム”という具体的なモチーフと、YU-KAの凛と透き通った声の相性の良さについても聞き逃せない。