時代の象徴として歌う音楽的同位体 可不(KAFU)

PICK UPアーティスト

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回は音楽的同位体 可不(KAFU)をご紹介します。

境界を飛び越えて輝く

ネットカルチャー、特にボーカロイドシーンから生まれた音楽はもはや日本のメインストリームの中から切り離せない存在となった。
シンガーとしての初音ミクとハチ(米津玄師)やn-buna(ヨルシカ)、Ayase(YOASOBI)またv flowerとバルーン(須田景凪)など、この10年間、才能あるアーティストたちが次々に頭角を現しては時代を塗り替えていった。
そして、2021年を象徴するのはこの作品になるだろう。
音楽的同位体 可不(KAFU)『KAF+YOU KAFU COMPILATION ALBUM シンメトリー』。

バーチャルシンガー・花譜の“音楽的同位体”として誕生した音声合成ソフトウェアである可不(KAFU)へ、名だたるボカロPが楽曲を制作した全30曲が収録されるアルバム『シンメトリー』の発売を2022年2月25日に控え、中から8曲の先行リリースタイトルがEPとして配信された。
かいりきベア、40mP、ナユタン星人らの参加に加え、既にTikTokなどでバイラルヒット中の『マーシャル・マキシマイザー(柊マグネタイト)』『フォニイ(ミツキ)』まで、まさに全曲キラーチューンという言葉が相応しい濃厚な楽曲が並ぶ。

可不の歌声を聞くと、現実世界とインターネット、リアルとバーチャルを切り離して考えることはとっくの昔にナンセンスなのだということを痛感させられる。
さまざまな境界を軽やかに飛び越える現代の歌姫と、才に溢れたアーティストたちの豊かなコラボレーション作品。
その全景が見えたとき、きっとまた世界がひとつ変わるはずだ。