平田義久がボーカロイドと広げるクリエイティブ
PICK UPアーティスト
BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回は平田義久をご紹介します。
ボーカロイドだからできる表現を
1996年生まれ、2016年からボカロPとして活動中の平田義久。
多種多様な次世代のクリエイター達と共にネットカルチャーの最先端を産み出すYouTube発のクリエイティブレーベル「KAMITSUBAKI STUDIO」に所属しながら、映像制作集団summmitを主宰する映像作家も務めるなどジャンルを問わず表現を続けている。
ジャズ、そして東京事変を自身のルーツに挙げ、ヒップホップやロックまでも折衷したオリジナリティに満ちた楽曲を発表している平田。
ボーカロイド楽曲ならではの展開の多さ、速さを軽やかに扱いながら、歌唱ソフトの特徴を最大限に活かした符割りやメロディ作りなど、聞きどころを挙げると各作品枚挙に暇がない。
最新シングル『バケモノバッター』は、ロックサウンドと相性のいい歌声ライブラリ“ゲキヤク”と“v flower”をシンガーに選んだ鋭利な一曲だ。
唸るようなベースを効かせたロックと電子音が融合した平田流のトラックに一瞬で惹き込まれてしまう。
また、疾走感溢れるこの曲を熱唱するゲキヤクとv flowerの息継ぎを多用し、無機質な歌声とまるで生きているかのようなリアルさのアンバランスさが危うい魅力を醸し出している。
昨年発表された『アヤカシライダー』からシリーズ的にリリースされた『バケモノバッター』。
ボーカロイド曲で「ヒーロー」や「バッター」というモチーフといえば連想される楽曲があるが、そこへのリスペクトと同時に負けない気概を感じワクワクする2曲だ。
この先のリリースにも注目したい。