心を溶かすニソクサンモンの歌
PICK UPアーティスト
BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はニソクサンモンをご紹介します。
まろやかに、あたたかく
水道橋の地下バンド、ニソクサンモン。
今年初ライブ、初リリースとフレッシュな活動を重ねている3人のファーストシングル『もやぼや』は、この肌寒い季節にもよく似合う一曲だ。
柔らかなギターの音と、独白のように優しく紡がれる歌。ドラムはひそやかな内緒話のようにそっと寄り添い、随所で暖かなスパイスのように音を支えるベースがアクセントになる。
《なんにもしないよ》《分かってる》《忘れないでいて》といった歌詞の繰り返しは、シンプルだからこそ、聞き手それぞれに違う意味を持ってするりと心の奥まで入り込んでいく。
ボサノヴァやハワイアンといった異国情緒もどこか感じる、ほっと肩の力が抜けるスローテンポなこの作品。
たとえば、秋冬、ホットミルクやコーヒーの香りと湯気がふわりと上がる肌寒い朝。お気に入りのコートを羽織って街を歩き、ふと柔らかな日差しに安心する昼。
これからの季節の、そんな瞬間に心を委ねたくなる楽曲だ。
この先、凍えにまかせて、心まで凝り固まってしまうこともあるかもしれない。
私たちの心をあたたかく解いてくれるのは、きっとこんな歌だろう。