青春を越えていくSPRINGMANの歌
PICK UPアーティスト
BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はSPRINGMANをご紹介します。
過去を抱きしめて歩き出すために
東京を拠点にし、スリーピースバンドを経て現在ソロプロジェクトとして活動中のSPRINGMAN。
シングル第一弾としてリリースされた『さよなら北千住』は、切なさと明るさを同時に抱いた爽快なポップチューンだ。
賑やかに始まるイントロはなんだか行進曲を想起させ、聞いていると、大きく腕を振って慣れ親しんだ街をずんずん進んでいきたくなる。そんなどこまでも楽しげなバンドサウンドに乗るGt.Vo 荒川大輔の歌声には、飾らない無骨さと人の良いあたたかさが同居した魅力があり、まるで昔から知る友人の話に耳を傾けているかのようなほぐれた気持ちを引き出されてしまう。
しかし、実際に青春時代を北千住で過ごしたという荒川が描き出す歌詞にフォーカスを当てると、そこでは若さゆえの焦燥や挫折感がたっぷり描かれている。
にもかかわらず、全編を通して感じられる心地良さ・痛快さは、この曲が『さよなら北千住』というタイトルの通り、生きていく上で誰もが経験するであろうひとつの時代を越えた先で歌われている歌だからだろう。
甘酸っぱさも息苦しさも詰まったそれぞれの青春の街を思い返し、それでも悪くなかったと抱きしめたくなる一曲。
あの頃をなぞりながら、この曲と再び歩き出そう。