炸裂するU-Rayの世界観

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ！ 今回はU-Rayをご紹介します。

表現力で存分に作り上げて

音楽という表現を行うとき、リリックやメロディを作り込むことはもちろん、「どういった形で音を鳴らすか」という部分も当然重要な過程かつ選択である。
“オルタナティブボカロック”を掲げるボカロP・U-Rayは、ボーカロイドと打ち込みによるサウンドという武器を持って、存分にその世界を表現する。

U-Rayによる最新オリジナルアルバム『Ghost in the Shade』。攻撃的でエッジが効いた密度の高いロックサウンドに、妖しいメロディライン。全8曲を通し、まさにオルタナティブボカロックが炸裂する作品だ。
しっかりシンガーとしての役割を果たしながらも、あえて機械らしい聞き応えを残したボーカロイドの調声にも個性があり、U-Rayが描き出すダークな世界観をより濃くしている。また、歌入りの楽曲だけではなく、アルバムの空気をリスナーに提示するようなインスト曲も収録されており、作品としての作り込みを存分に感じることができる1枚になっている。

今作に満ちる冷たくも激しい空気は、たとえば弾き語りやバンドという作り方では、これほどクリアかつソリッドには表現できなかったものであるように思える。
自らの武器を使いこなし、その世界を細部まで描き出してみせるU-Rayの表現力を感じよう。