アサノコロモが描く儚いストーリー
PICK UPアーティスト
BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はアサノコロモをご紹介します。
人の数だけある物語を
この世界で起きることについて、「いつどこに誰がいて、何が起きた」といった風に切り取ったなら、ただひとつの明確な“事実”というものは存在する。
しかし、人と人が関わりあって巡る社会のつくりはそう単純ではない。誰が、何を思ったどんな目で見るかによって、“物語”の数はいくつでも存在し得る。
愛知県を拠点に活動するシンガーソングライターであるアサノコロモ。2023年2月8日にリリースされたシングル『Tell me how to get back』は、さまざまなルーツを持つバンドメンバーと共にR&B、soul、Jazzの要素を取り入れて制作されたグルーヴィーな1曲だ。
夜の空気が漂うリッチなバンドサウンドと、アサノコロモの色気がありながらもパワフルな歌声、そして、核心を曖昧にしながらも感情が滲むリリック。
それぞれの瞳が見つめるのは違うストーリーだからこそ切なく、苦しく、それでも愛おしい想いを歌い上げるアサノの表現力が胸を衝く楽曲になっている。
人の数だけ存在する“物語”、そこに明確な答えや正解はない。ただ、この作品の中では、ひとつだけ明確な言葉としてタイトルでもある「Tell me how to get back」という言葉が繰り返される。
叶わない願いをなぞってしまう、そんな一人の夜に浸りたい歌がここにある。