笹川美和が描き出す星と人々

PICK UPアーティスト

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回は笹川美和をご紹介します。

回る季節と宇宙を見つめて

新潟県出身、シンガーソングライターの笹川美和。2003年のデビュー以来、その文学的な言葉選びと唯一無二の歌声でさまざまな楽曲制作を行ってきた。

笹川美和が継続して行なっている活動のひとつに、大人向けに特別な時間を演出するコニカミノルタプラネタリウム「天空」にて行われる『LIVE in the DARK』とのコラボレーションライブがある。2022年、『LIVE in the DARK』の5周年を記念して制作されたアルバム『スピカ』は、四季の星空をテーマにした夏曲「アルタイル」秋曲「ペガサス」冬曲「スバル」春曲「スピカ」の4曲からなる。昨年特別仕様で発売されたこの作品が、春めくこの季節、配信でもリリースされた。
ピアノを軸とした静謐な音とメロディ、笹川らしい詩的な言葉選びが美しく印象に残る今作。巡る季節を繊細に切り取る楽曲たちには、共通して、空に願いを託すような儚さが滲む。しかし、その収録順と詩の世界からは、光を感じることもできる。1曲目に収録されている夏曲「アルタイル」から冬曲「スバル」までは、切なさにフォーカスが当たっているのに対し、4曲目の「スピカ」では、春らしいやわらかさと新たなスタートへ向かう力強さが照らし出されているのだ。

回り続ける地球と宇宙のなかで、小さな一歩を踏みしめながら進む人々を包み込むような作品である。