TSUKKYが描き出す内面と日々

PICK UPアーティスト

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はTSUKKYをご紹介します。

ありのままで寄り添って

日記とは、実に個人的な営みである。ただ一人の身を取り巻く世界、そこで起きる出来事、それを受けて感じたこと、他にひとつとないフィルターを通して記される言葉はパーソナルゆえに興味深い。衒いのない思いが残るからこそ、誰かの言葉に強い共感を抱くこともある。

大阪出身のR&Bシンガー、TSUKKY。韓国のpopsやhiphop/R&Bに影響を受け、21歳の頃から作詞作曲を始めた。
3月にリリースされた4曲入りのEP『diary』は、そのタイトル通り日記のように書き上げた曲たちをまとめた作品となっている。音数を抑えながらも、アレンジによって内省的な世界を押し広げる音作りと、透き通った歌声で紡がれる言葉が波紋のように心を満たすこのEP。TSUKKYの日記を覗くと同時に、自分自身の生活や内側についても自然と省みてしまう、プライベートにそっと寄り添ってくれる楽曲が並ぶ。

そんな中で、少し異なる光を帯びているのが4曲目に収録された「僕がいた場所」だ。これはトラックメイカー・PIANO FLAVAを迎えた楽曲であり、作品内唯一の共作となっている。内省的な空気はそのままでありながら、確かに、人といるからこそ生じる鮮やかさやきらめきを纏っているこの1曲。
個人的であるうつくしさと、だからこそ際立つ、誰かといることの眩しさ。そのどちらもを感じられる1枚だ。