確かな世界観を提示するミジンコ論争 feat. 増田一陽

PICK UPアーティスト

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はミジンコ論争 feat. 増田一陽をご紹介します。

神秘的な魅力をもって

カラコルムの山々のメンバーとしても活動する石田想太朗と、おがわもみじとの作曲ユニット・ミジンコ論争。初めてのリリースとなる『テロメアの約束』が現在配信中だ。

3分足らずの楽曲でありながら、壮大な世界観と音作りをたっぷりと感じられるこの1曲。
タイトルになっている「テロメア」とは、染色体の末端にある構造を指す言葉だという。自覚もないうちに巡り繋がりゆく身体と、自覚的に誰かを求めて生きていくこと。意識と無意識、微小な営みと世界の運命、そういった対極に通ずるものを探り、美しさを見出すような詩の世界は不思議な魅力を持っている。それを、時には代わる代わる、時には声を重ねて歌い上げる男女ボーカルもまたその神秘性を高めていると言って間違いないだろう。
もちろん、この楽曲の魅力は歌詞と歌だけではない。まるでオーケストラのように丁寧に作り上げられた音の重なりは、厳かかつ清らかな没入感を誘っていく。

初めてのリリースにして、彼らが持つポテンシャルを存分に知らしめる作品だ。今後のリリースやライブ活動についても期待したい。