大人と子どもの狭間を歌うsabatabby

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ！ 今回はsabatabbyをご紹介します。

今しか切り取れない気持ちを

山形発、仙台を中心に活動中の4人組ロックバンド・sabatabby（サバタビー）。彼らにとって初のサブスク進出曲となる『迷妄ティーンエイジ』は、大人と子供の間で揺れるティーンエイジャーの姿を切り取ったクールな1曲だ。

からりと乾いたドラムの音から幕を開け、耳に残るキーボードのフレーズと妖しくうねるベースラインが見事に楽曲世界を描き出し、一瞬にしてその世界観へと誘い込むこの楽曲。Gt.Vo. 小林亜未の歌声には大人びた色とあどけなさがどちらも浮かび、10代ならではの全能感と無能感、安心と不安の間で揺れ動く心をストレートに表現した歌詞を力強く歌い上げている。
色気を演出する曲ではありながら、深夜の空気にどこか背徳感を覚えるような、まだ背伸びして〈あなた〉の隣に並んでいるような、フレッシュゆえにほろ苦い視座が保たれている部分も魅力のひとつだ。今の彼女たちにしか切り取れない、儚い夜がここに閉じ込められている。

現在はライブ活動を休止し、音源制作を中心に活動を行なっているsabatabby。新曲の準備も進行中だという。4人が次はどんな世界を描いてくれるのか、楽しみに待とう。