楽曲に滲む、Rhino kawaraの音へのこだわり

PICK UPアーティスト

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はRhino kawaraをご紹介します。

音とリズムが雄弁に語る

音へ強いこだわりを持つアーティスト、Rhino kawara。硬貨をすり合わせた音や耳鳴りにさえも面白さを見出し、自身の表現へ昇華していく。

The ProdigyとメタルコアバンドをきっかけにDAWを触り始めたkawara。彼らの影響を感じさせるノイズを活かした楽曲もある一方で、アルバムを通してのストーリーテリングに長けているのは、ゲームBGMに慣れ親しんできたことも関係しているのであろう。喧噪も静寂も巧に操り、物語を描いていく才能こそRhino kawaraの魅力なのかもしれない。

先日配信が開始された『梅雨の手前、微睡みの跡』は、2021年10月にリリースされたEP。インストゥルメンタル作品なので、三月が語りをしている「縋る跡」以外は、言葉なく進んでいく1枚なのだが、「音とリズムはここまで雄弁なのか」と思わせられるほど、鮮明にドラマを描いていく。ノスタルジックかつセンチメンタルな世界観に香るささやかな希望に、どうしようもなく揺さぶられてしまう作品だ。