Ryo Hamamotoが追い求める、楽しく満足できる作品

PICK UPアーティスト

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はRyo Hamamotoをご紹介します。

幾重にも発見と出会える

ギタリストのみならず、シンガーやソングライターとしても才能を発揮しているアーティスト、Ryo Hamamoto。2011年から2016年頃までmooolsのメンバーとして活動し、2018年からはAnalogfishのサポートメンバーを務めるなど、日本のインディーロックシーンに欠かせない人物である。

そんな彼の4作目となるフルアルバム『Reprizes』の配信が開始された。3rdアルバム『Third』の際は前作から4年ぶりのリリースであったが、なんと今作は7年越し。日常のなかで出会ったテーマを見つめ、煮詰め、納得のいく形で表現する。文字にしてしまうと簡単だが、実際には気の遠くなるような工程を、当たり前のように突き詰めた作品となった。

本作に関してHamamotoは「トレンド的にも学理的にも目新しい要素など何一つないし、きっと今作のどこにも「新しい音」など無いだろう」とコメントを寄せている。しかしながら、流行を追い求めるように量産されていく音楽が溢れている昨今において、時間の流れに縛られず楽しく満足できる作品を残したというのは、どれほど尊いことだろう。ゆったりとしたテンポに身を預けるもよし、歌詞の内容に思いを馳せるもよし。幾重にも楽しませてくれる1枚だ。