HAKが描く、複雑な感情の美しさ

PICK UPアーティスト

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はHAKをご紹介します。

無垢な意志で突き進む

シンガーソングライターとして活動している中村はくの別名義、HAK。楽曲制作やライブ経験を積む期間を経て、着々と実力を磨いてきた。

先日配信が開始された『白は夢』は、待望の1stEPとなる作品。歌とアコギで紡ぐ全5曲が収録されており、修正や編集を加えずライブの生感が詰めこまれている。

楽曲で描かれている情景は、いずれもシビアだ。17歳の頃の自分を認めてあげたいと語る「十七」、清く正しくいたかったと叫ぶ「砂のお城」、自身の不甲斐なさにもがく「虚無」。成長していくなかで感じる痛みや葛藤と向き合い、それでも白く無垢でいたいとHAKは願う。それは大人になりたくないといった単純なことではなく、世に蔓延る不条理や無秩序に屈しない強い意志なのだろう。ギターと歌というシンプルな構成ながら、感情の持つ複雑な美しさを感じられる1枚だ。