繊細に豊かな情景を描く、笹川美和の歌声
PICK UPアーティスト
BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回は笹川美和をご紹介します。
スルッと入りこんでくる音楽を
音楽としての浸透度を保ちながら、繊細で豊かな情景を描いていくシンガーソングライター、笹川美和。彼女の音楽は耳から入りこむと、脳内へスルッと物語を語り掛けてくる。それこそ、笹川が“エッセイスト的シンガーソングライター”と謳われる由縁なのだろう。
先日配信が開始された「青海原」は、デビュー20周年アルバム『続』リリース後、第1弾となる作品。映画『舞倒れ』の主題歌として書き下ろされた1曲になっており、新潟県佐渡ヶ島を舞台にした青春群像劇に相応しい、海の広大さを感じるサウンドと若人の葛藤を綴った歌詞が印象的なナンバーだ。
ピアノとアレンジには彼女の黎明期を支えてきた林有三、ギターには盟友の設楽博臣が名を連ねる。華奢にも大胆にも聴こえるピアノとギターのアンサンブルは、日によって様々な表情を見せる海をそのまま写し取ったよう。安心感のあるトラックの上で伸び伸びと広がっていく、笹川のボーカルも秀逸だ。