らしさ溢れる、弁天ランドのラブソング
PICK UPアーティスト
BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回は弁天ランドをご紹介します。
純真さが胸を打つ
2021年8月活動開始、東京を拠点とするロックバンド・弁天ランド。2024年8月10日にリリースを控えた2nd EPより、『rove song』が先行配信中だ。
弁天ランドは、自ら掲げる“老若男女全年齢対象令和歌謡ロックバンド”の言葉の通り、懐かしさと親しみやすさを感じる美しいメロディラインをあたたかなロックサウンドで包み込む、そんな楽曲にこそ「らしさ」を感じるバンドだ。今作『rove song』は爽やかな透明感と疾走感の新鮮さが際立ちながらも、まっすぐな言葉選びとキャッチーなメロディが胸を衝くサビから「らしさ」が溢れ出す、新境地を魅せる1曲に仕上がっている。
イントロはなく歌声から幕を開けるこの曲の、2分半の間に詰め込まれる転調やギターソロ、忙しなくもカラフルに過ぎていく濃度の高い時間は、まさに恋をしている最中のように目まぐるしい。囁くように紡がれる歌には躊躇いや恥じらいが滲み、センチメンタルをたっぷり乗せて鳴くギターにはもどかしさや熱さが宿る。たった一人の大切な誰かを前にして募る数え切れないほどの想いを詰め込みながら、それでも、肝となるサビでは〈あなたに恋をしている〉とピュアすぎる言葉を衒いなく繰り返すその飾らなさ。間違いなくこれは彼らにしか歌えないラブソングだろう。