Camelotsが追求するハイパーポップサウンド

PICK UPアーティスト

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はCamelotsをご紹介します。

突き詰めて、詰め込んで

2022年より活動する、ボカロP駱駝法師によるソロプロジェクト・Camelots。2作目のアルバム『BLUESCREEN』が現在配信中だ。

初音ミクが登場してから15年以上が経ち、ボーカロイドカルチャーは絶え間ない変化と進化とともに広がり続けている。ボカロカルチャーから生まれた個性がポップミュージックに影響を及ぼすこともあれば、当然、流行のサウンドからボカロシーンのトレンドが変わることもある。Camelotsによる当作品は、近年急速に広がった “ハイパーポップ×ボーカロイド” と真正面から向き合ったアルバムとなっている。

全11曲を通し、カラフルなアプローチから多彩なサウンドの世界を拡張していく『BLUESCREEN』。ハイパーポップというカルチャー自体が音楽ジャンルの誇張と横断によって成り立つものであるため、この作品の中にも多様な音楽の断片が、そして、それによって表出するさまざまな感情が詰め込まれている。忙しないほどの展開や圧倒的な音数、合成音声とリアルな歌声の掛け合いなど、一見多すぎる要素が凝縮されているにもかかわらず、散らかった印象にならないのは「ポップであること」という軸が一貫しているからだ。音と言葉の激流に埋もれることのないクリアなサウンドメイクとキャッチーなメロディは、清らかささえ漂わせながらリスナーの耳へ馴染んでいく。
ハイパーポップ/ボーカロイドカルチャーに興味がある人はもちろん、そうではない人にこそ一聴して欲しいアルバムだ。