メルトタイマーが紡ぐ、センチメンタルな情景

PICK UPアーティスト

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はメルトタイマーをご紹介します。

秘めた恋心を音に宿して

2002年6月に結成された大阪発の4人組ロックバンド、メルトタイマー。元々は男女ツインボーカルだったが、2024年3月にリリースされた「廻るアネモネ」を最後に現体制へ。「まるで時間が溶けるように過ぎていく、そんな音楽を。」をコンセプトに掲げ、爽やかなサウンドと甘い声が心地よいポップミュージックを紡いでいる。

先日配信が開始された「ハーメルン」は、許されぬ関係のふたりを描いた作品。ダメだとわかっていても、愛しているから誘ってしまう――。一辺倒ではいかない複雑な感情が、センチメンタルなサウンドで表現されている。

吐息たっぷりに紡がれる冒頭から、すでに雰囲気は夢見心地。理性に逆らえず、愛しい人に浸ってしまう恍惚に濡れた心情を、物憂げに歌い上げていく。ピアノやシンセサイザーを効果的に使った演奏も浮遊感があり、曲中の主人公が手強い状況であっても心のどこかでは楽しんでいることを物語る。秘められた恋をしている人に届いてほしいナンバーだ。