異なる価値観を繋ぐ、飯澤遥土の表現

PICK UPアーティスト

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回は飯澤遥土をご紹介します。

作品に宿るオルタナティブ魂

打楽器と弦楽器のマルチプレイヤーでありながら、現役の美大生として情報デザインを学ぶアーティスト、飯澤遥土。湧き上がる情動を作品に昇華し、くだらない先入観やラベリングによって分断されてしまっている世界を繋ぐ、音楽を生み出している。

先日配信が開始された「まわる世界」は、彼が高校時代に書き下ろした1曲。集団心理に対する恐怖心や将来への不安といった葛藤を描いたエレクトロポップチューンになっている。

ピコピコした音質で作り上げられたサウンドが、煌びやかなほどにポップな一方で、現実を真っすぐに見据えた歌詞は、生々しいほどにソリッド。とことん明るくするでもなく、どうしようもないほどに暗くするでもない、絶妙な按配に飯澤の美学は表れているのだろう。ひとつの価値観に依存するのではなく、コラージュ的にジャンルや思考を繋ぎ、新しい価値観を提示していく。彼の持つオルタナティブな精神を感じられる楽曲となった。