ほの暗さを放つ、おのっくの不安定さ
PICK UPアーティスト
BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はおのっくをご紹介します。
“怪しさ”という色
北海道出身のラッパー、おのっく。高校生の頃に、鎮座DOPENESSと晋平太のラップバトル動画を観て「不良じゃない自分も、こんな場所でラップをやってみたい」と思ったのをきっかけにフリースタイルラップをスタート。2022年からは活動を本格化させ、ライブや制作を精力的に行ってくる。
先日配信が開始された『SWAMPMAN』は、「Root」「SWAMPMAN」「裸の王様」の3曲を収録した1枚。グルーヴの違うトラックを、無邪気なフロウで軽やかに乗りこなしていく。
楽曲には、一貫してスピリチュアルでほの暗い空気が漂う。宗教的な言葉やテーマを扱っていないにも関わらず、どこか不気味さが侵食してくるのは、高低を行ったり来たりする不安定なボーカルが、荒廃的な世界を彷彿とさせるからなのだろう。怪しげな楽曲たちに、おのっくのカラーを感じずにはいられない作品だ。
