音楽で交差する、むらかみなぎさと明智マヤの人生

PICK UPアーティスト

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はむらかみなぎさ・明智マヤをご紹介します。

真摯に見つめ合った先の表現

フォークをルーツに持ち、都内の喫茶店やライブハウスを中心に活動しているシンガーソングライター、むらかみなぎさ。忙しない日々のなかで身落としてしまいそうな些細なことに視線を向け、丁寧な内省を重ねた言葉で音楽へ昇華していく。

先日配信が開始された『うさぎ/溝』は、明智マヤと共に制作した書籍『柔らかい縁』に付属するCD音源から先行配信されたもの。ふたりの記憶や経験、想いが交差しながら、リスナーの心を柔らかに緩めていく2曲となっている。

彼女たちが紡ぎあげるリリックは、単なる自己表現にとどまらない。お互いを真摯に見つめたからこそ生まれた、ひとつの啓示のように響くのだ。「溝」で軽やかに歌われていく《明けない夜はある》というフレーズのなんと心強いことか。刺激物に溢れた時代のなかで、淡々と日常を噛みしめる逞しさを思い出させてくれることだろう。