アンビバレンスを内包するBurgundyの音

PICK UPアーティスト

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はBurgundyをご紹介します。

短くも濃厚な2分半を

2017年、Vo/Gtの立花龍(ex.或る感覚)を中心に結成されたロックバンド・Burgundy。最新シングルに収録された楽曲『Superposition』は、低体温な空気の中にメロウな情感を漂わせる、奥深く魅惑的な1曲だ。

タイトかつテクニカルに刻まれるビートを軸に、オルタナティヴな音像で展開されていく『Superposition』。淡々としたムードを漂わせながらも、歪んだギターソロやビートの移り変わり、それと同時に大きく動きを見せるベースラインなど、2分半の中にさまざまな瞬間が詰め込まれており、没入感とともに聞き惚れてしまう作品になっている。

立花龍による歌は、その中でも大きな感情の揺れやブレを見せないからこそ、ずっしりとした深みと意味を楽曲世界に滲ませる。客観的に街の景色を切り取っているようでいて、“枯れない愛さ”という力強い言葉が何度も繰り返される歌詞は、滔々と積み重ねられるからこそ強度が増していく。Burgundyの音楽は、冷たさと熱、無機質と有機的、クールでメロウ、多角的なアンビバレンスを内包するから唯一無二なのかもしれない、と思わされる1曲である。