爽やかに哀愁が香る、DeNeelの新境地

PICK UPアーティスト

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はDeNeelをご紹介します。

それぞれの香る記憶に寄り添って

2017年に大阪で結成された“OSAKA REVIVAL POP”を掲げる4人組バンド、DeNeel。今っぽさを感じる洗練されたサウンドと歌謡曲を彷彿とさせる妖しげなメロディーラインを絡みあわせ、哀愁を帯びた世界観を描き出している。

先日配信が開始された「プルースト」は、儚くも消えてしまう“淡い愛”をテーマにしたロックナンバー。タイトルは、香りに紐づいた記憶や感情が鮮やかに思い出される“プルースト効果”に由来しており、恋人への想いを立ちきれない切なさがエモーショナルに表現されている。

とはいえ、音色がブライトだったり、アクセントにブラスを用いていたり、全体的に爽やかなのが印象的だ。自分のなかで過去に出来た人ならではのセンチメンタルが、音を通して伝わってくる。一方で歌詞は、どこか影を感じさせるDeNeelらしさが炸裂。すでに手離れしてしまった恋へのやるせなさが、等身大の言葉で紡がれていく。個性と新しさを掛け合わせた、DeNeelの新境地となる1曲だ。